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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第16話
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なんだあの異常な速さは!?」

追跡を振り切られたダドリーが立ち止まって、悔しそうな表情で声をあげたその時、ロイドはエニグマを通信モードにして通信を開始した。

「ランディ、ティオ!そっちに市長の秘書が行く!真犯人だ、足止めしてくれ!」

「お、おお……!?」

「よくわかりませんが了解です。」

そしてアーネストが劇場から出て来たその時!

「それっ!!」

「ぐっ!?」

ティオが放った導力弾が命中したアーネストは足を止めて呻き

「甘いっての!」

ランディがアーネストに体当たりして気絶させた!

「ふう……何だってんだ。」

「どうやら一連の事件の真犯人みたいですけど………」

「ランディ、ティオ!」

ランディとティオが気絶したアーネストを見下ろしているとロイドがダドリーと共に劇場から出てきた。



「よかった……捕まえてくれたか。」

「ああ、拳銃を持ってたから思わず気絶させちまったぜ?」

「ああ、それでいいよ。」

「それで、どうしてロイドさんが一課のメガネスーツさんと………?」

「だ、誰がメガネスーツだ!お前達………これは一体どういう事だ?バックアップまで用意して一体、何をしていた………!?そう言えばブライトをマクダエル市長の護衛を担当させていたが………まさか今回の事件の真相に気づいていたのか!?」

ティオの疑問を聞いたダドリーはティオを睨んだ後、ロイド達に尋ね

「それは……」

尋ねられたロイドが複雑そうな表情で答えを濁していたその時!

「うおおおおおっ!!」

なんと気絶していたはずのアーネストが立ち上がり、再び逃亡を始めた!

「なっ……!?」

「まだ動けたのか……!?」

アーネストの行動にランディと共に驚いたロイドは仲間達やダドリーと共にアーネストの追跡を再開した。



「クク……こんな所で終わるものか………私は………私は次期市長になるんだ………!ハルトマン議長の後ろ盾があればきっと次の市長選を………!」

一方凄まじいスピードで逃亡していたアーネストは凶悪な笑みを浮かべて独り言を呟いていた。

「グルルル………ガウッ!」

するとその時ツァイトがアーネストの目の前に現れ、アーネストにのしかかった!

「ぐはっ………!?」

ツァイトにのしかかられたアーネストは呻き

「ツァイト………!」

そこに追跡を再開したロイド達が追いつき、状況を見たロイドは口元に笑みを浮かべた。



「くっ、例の狼か……!」

一方”特務支援課”の所属であるツァイトに出し抜かれた事にダドリーは悔しそうな表情をし

「……お手柄ですね。」

「やれやれ………美味しい所独
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