第五十四話 杉山大佐!囲碁色々!!その十三
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「今回で終われ!」
「負けちまえ!」
「とっととな!」
「囲碁で負けろ!」
「最後までうるせえ!」
「雑魚は黙ってろ!」
その観衆にだ、二人は最後もスーツの仮面の上から青筋を立てて右手の中指を突き立てたうえで言い返す。
「精々俺達の勝利に悔しがれ!」
「その最後もな!」
「だから負けろ!」
「正義は最後には絶対に勝つんだよ!」
「正義は遅刻はするが欠席はしないんだよ!」
「だから御前等今度は負けろ!」
どう見ても正義のヒーローに言う言葉ではない。
「盛大にな!」
「巨人みたいに無様に負けろ!」
この作品では勝率一割チーム防御率十点台、打率二割一分、エラー一シーズン二百個という作者感涙ものの状況である。
「さっさとな!」
「そうなっちまえ!」
「くそっ、最後までこうかよ」
「俺達エールなき主役かよ」
「最終編どうなるんだよ」
「その時もこうかよ」
当然である。
「しかも地の分これかよ」
「もう作者の中で決定か」
「一体どんな最終編なんだよ」
「日帝衆が主役になるとかなしだぞ」
「こう言うと実際になる作品だしな」
「マジで不安だぜ」
主役側の彼等にとってはだ。
「本当にな」
「どうなるんだよ」
「正義のヒーローじゃねえのかよ俺達」
「とことん扱い悪いな」
「勝てば官軍だろ」
「それで何で不人気なんだよ」
「自分の胸に手を当てて考えてみたら?」
瞬は二人にこう言った。
「よくね」
「へっ、俺達は過去は振り返らないんだよ」
「昔は懐かしむものだぜ」
キザなポーズを決めて言う二人だった。
「振り返るものじゃないぜ」
「ふと郷愁に浸るものだぜ」
「そう言うから駄目なのよ」
まさにその通りである。
「いつも己は振り返らないと」
「だから俺達は過去を振り返らないって言っただろ」
「絶対にな」
「未来を見てるんだよ、未来を」
「未来志向なんだよ」
「悪い意味でそうよね」
未来志向だとだ、瞬は二人に言った。
「一歩も成長しないままここまでくるなんてね」
「何だよ、悪いかよ」
「貯金大分出来たぜ」
ジャスティスカイザーの給料とボーナスでだ。
「アフィもやってるしな」
「イカサマ賭博の腕はあがったぜ」
「世の中金だろ」
「金さえあれば人格なんてどうでもいいんだよ」
「そうした発想が駄目なのよ」
ましてやヒーローとしてはだ。
「人間的成長しないまま五十四話ね」
「だから金あるからいいだろ」
「何が悪いんだよ」
「何度でも言うわよ」
それこそとも言った瞬だった、そして。
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