Chapter U:Xenogenesis
第06話:Unlucky Encounter
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しょう。」
エレオノーレの訓練は己との戦いだ。自分の限界ギリギリのラインを正確に見極めて行われるそれは常に大きな疲労と苦痛を伴う。楽して強く成れないと分かっていても、なかなか続かない。それこそ軍人の屈強な男たちですら弱音を吐く。
それに冒険者になったばかりの普通の少年が耐えていた。
普段は褒める事を一切しないエレオノーレだが、褒めるべき事はちゃんと褒め、評価する。ベルの根性は彼女も高く評価していた。
「では、私もそろそろ動くとしよう。」
「他の団員たちは」
「ベイとリザ、ルサルカを呼べ。それとシュライバーは本拠地で待機を。」
「ハッ。直ぐに集めます。」
「それから分かっていると思うが、ギリギリまで手を出すな。良いな?」
「心得ています。ですが、時期尚早では?」
「何、卿の観察力を私は信頼しているのだよ。ベルはミノタウロスから逃げられる程度には成長したのだろう?ならば問題はあるまい。」
「新兵に己の実力を実感させるというのは、いつになっても苦労します。」
「だが、それを分からぬ雑兵は必要ないのでな。それに、ベルは『英雄』になりたいと言ったのだ。ならば、分からせてやらねばなるまい。」
自分が目指す領域の遠さをな。
そう呟いたラインハルトが持つ書類には、現在ダンジョンで活動しているファミリアの詳細な情報が記されていた。
【ロキ・ファミリア】…遠征中。現在50階層にて野営中。
【フレイヤ・ファミリア】…冒険者数名が探索中。
【ヘファイストス・ファミリア】…冒険者依頼発行中。探索中の冒険者無し。
【イシュタル・ファミリア】…戦闘娼婦の集団が探索中。不審な『籠』を移送中の模様。
・
・
・
???
「(えっと...どうしてこうなったんだっけ?)」
ダンジョンの中を走る、走る、走る。
常に周りの状況を確認しながら全力疾走をしながら、ベルはここまでの状況を振り返っていた。
ダンジョンに潜りはじめて4日目の今日、エレオノーレが用事の為ベルがソロで活動する事になった。
そしていつも通り3階層までの範囲でモンスターと戦っていると、目の前に4階層へと続く階段が出現。興味本位で階段を下りたのが運の尽きだった。
4階層、5階層と戦う中で苦戦する事もなくモンスターを倒せたベルは調子に乗ってしまい、6階層まで下りたのだ。
すると何故か目の前の通路から中層でしか出現しない筈のミノタウロスが出現。
そのミノタウロスから必死になって逃げている途中なのだ。
「(ここまで来れば――!)」
逃げおおせたと思って後ろを振り返ると、そこには自分を
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