Chapter U:Xenogenesis
第06話:Unlucky Encounter
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いる事もあり、余裕を持って相手の攻撃を躱し、魔石が存在する部分を一突き。スマートに三体のコボルトを撃破した。
「相手が遅いからといって気を抜くな。常に最善の動きを意識しろ。」
「ハイ!」
しかし、例え相手が雑魚であろうとエレオノーレの叱咤がとんでくるので一時も気が抜けない。
相手の動きをただ躱すのではなく、死角に潜りこみ、次の自分の動きに合わせる。スタミナの消費は最小限に、無駄の一切を排除する。
エレオノーレの理論重視の教育に従い、ベルはしっかりとその動きを自分に馴染ませていく。
「(ふむ。筋は良いな。多少自身のセンス頼りの部分もあるが、そこはむしろ残すべきか...)」
エレオノーレとしても、自身の教え通りに動こうとするベルの姿勢は好ましい。軍属として規律を重んじるエレオノーレにしてみれば、教導においてはベルのような素直な部下が好ましい。
「(武器はナイフ、もしくは刀身が短めの剣だな...敏捷特化で足で敵を翻弄し手数で制するタイプだな)」
ステイタスとベルの癖や戦い方から、ベルに最適な戦闘スタイルを構築していく。
エレオノーレからしてみればこの程度簡単に出来てしまう事だが、普通ならばこんな事出来はしない。様々な軍人、犯罪者たちを見てきたエレオノーレだからこそ出来る芸当である。ラインハルトに次いで『万能』タイプの本領発揮である。
「(理論8、野性2の割合がベストだろうな。暫くしたらベイあたりにも相手をさせるか...)」
モンスターだけではなく、野性的な勘と我流のスタイルで戦うベイのような相手とも経験を積ませ、出来るだけどのような状況下でも通用する判断力と観察力を身に付けさせる。
ベルの頑張りもあり基礎もある程度できてきたので、これから先は本番に入ってもいいかもしれない。
「(ヒァ...なんだ今凄い寒気が...)」ゾクリ
エレオノーレの不安しか残らない考えを察知したのか、その日は約6時間ほどダンジョンに潜っている間、ベルはずっと背筋に奔る謎の悪寒にさらされていた。
???
「ハイドリヒ卿。ベル・クラネルですが、早くも目標値に到達しました。」
「そうか。ご苦労だったな、エレオノーレよ。」
ベルがダンジョンに潜りはじめて3日目の夜。
エレオノーレはベルのステイタスを片手にラインハルトへ報告を行っていた。
「卿からみてどうだね。ベル・クラネルは」
「ハッキリと申し上げて、将来性はありますが現状ではそこらの凡夫と変わりません。」
ラインハルトの問に即答するエレオノーレ。ラインハルトもそこは同意なのか、特に反応は示さなかった。
「ただ、私の訓練に弱音を吐かずにここまでやってきた。その根性だけは認めてやりま
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