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ソードアート・オンライン 舞えない黒蝶のバレリーナ (現在修正中)
第一部 ―愚者よ、後ろを振り返ってはならない
第1章
第8話 六花が贈るメッセージ(後編)
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イテム等だけだった。うんざりしてくる。たまに回復ポーションが紛れているから、それがまだマシな点だろうか。
敵モンスターにも数度エンカウントした。一人でも倒せないことはないが、やはり強いと感じた。もしかしたら、私が今までフィールドや迷宮区で遭遇したどのモンスターよりも、少しばかりステータスが高く設定されているかもしれない。おそらく、数体ならまだしも、10を超えたら二人で掛かったとしても危ないだろう。
そして、気になることがもう一つ。私とネージュが獲得する経験値量が、確実に普段よりも多いのだ。これはひょっとすると、この意味不明な“イベント”とやらに、深く関係あるのではないだろうか。
「ああ、あそこにもあるよ」
ネージュが相変わらずの明るい声を上げながら私へ笑顔を向けてくる。きっと私を元気づけようとしてくれているのだろうが、私は何とか曖昧な笑みを作るので精一杯で、上手く返すことが出来なかった。それでもニコニコと笑う金髪の青年に、申し訳なさがますます強くなる。
ネージュの顔が見ていられなくて、彼が指差す方向へ視線を振った。そこには本日30回目の四角い物体待ち構えていて、思わずそれを睨みつける。
「……何のためにこんなイベントを用意したのかしらね。本当、嫌になってくるわ」
たとえ全うなゲーム世界だったとしても、こんなことでは宝探しの気分も味わうことは出来ないし、時間的にも割に合わない。完全に不毛な行為だといえよう。だいいち、プレイヤーに事前連絡もなくただ選び出すなどもってのほかだ。……ランダムに選びさえしなければ、先ほどの二人のようなプレイヤーも生まれなかっただろうに。
「……あら、ネージュ、お客さんが来たわよ」
「お、本当だ。なら手厚い歓迎をしないといけないね」
軽い口調でおどけながらも、ネージュはすっと両手剣を構えた。私もそれに倣い、彼の隣に並ぶ。鋭い目つきで敵を見据える彼の横顔を盗み見て、小さく笑った。
あなたはやっぱり、私とは比べものにならないほど強い。
「くるよ」
「ええ、言われなくても分かっているわよ」
思えば、彼が戦っている姿を見るのは今日が初めてだった。どれほどの実力なのだろうと、幾日か前の会話で気にはなっていたが、実際目にすると言葉を奪われる。
果敢に斬りかかる様や両手剣を振りかざす姿は、今までのネージュの印象を覆すほど力強いのだ。
「スイッチ!」
彼の声にすぐさま前へ出て、連撃のスキルを一発。よろけたスケルトンへ、すかさずネージュも追撃。ぶっつけ本番だった彼との連携も、特に問題はなかった。
やがてこれまた本日何回目か分からない青い欠片が弾け、無言でそれを見届ける。
「キカちゃん、疲れてない?」
「大丈夫よ。……心配してくれてありがとうね」
静かに首を振る彼に、笑みを深くする。今日は本
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