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ソードアート・オンライン 舞えない黒蝶のバレリーナ (現在修正中)
第一部 ―愚者よ、後ろを振り返ってはならない
第1章
第7話 六花が贈るメッセージ(中編)
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ートされ、モンスターがポップするようになります。村人が求めるものを見つけて装備するか、本日21時を迎えると自動的に終了します。ログアウトで途中退場出来ますが――――。
「全くもって意味が分からないわ。そもそも何のイベントなのよ」
「本当だよ、もう……」
「こんな訳もわからないクエストをクリアしなければ出られないなんて……」
「……それにさっきの手紙……、最後の一文が」
“悪魔の手先はかなりの強者です。十分注意してください”――――。
何が起ころうとしているのだろうか。強い悪寒を感じ、ぶるりと体を震わせる。
沼に片足を突っ込んでしまったような、そんな感覚。少しずつ底へ底へと引きずり込まれていき抜け出せない。足掻こうとしても体の自由はどんどん奪われ、恐れがじわしわと這い上がり、思考を浸食していく……。
「……キカちゃん?」
「…………何でもないわ。とにかく片っ端からこの箱を開けていきましょう。どうやら強いモンスターもいるようだし一刻も早く――――」
と、私が一番近くの宝箱へ手を掛けた、その時。
「うわぁぁぁぁああああああああああああ!!」
私たちのものでは無い悲鳴が、空気を切り裂いて響き渡った。私は咄嗟にネージュと顔を見合わせ、
「この声って……!」
「私たち以外にもプレイヤーが居たんだわ!」
すぐさま己の武器抜き払い、彼と共に声の方向へ駈け出す。
――――赤の他人が死のうがどうなろうが構わない。
「……そうよ……」
私は、自身が大切にしている者たちを守れればそれで良い。他がどうなろうが関係ない。知ったことではない、……のに。
「あっ、たす、助け……ッ」
悲痛な男の声と、モンスターのものであろう低い呻き声が近くなっていく。私の足は、何故か止まろうとしない。止まってくれない。
「早くこっちへ来なさい!」
「キカちゃん!?」
気が付けば、包帯でぐるぐる巻きにされているミイラのようなモンスターの前へ飛び出していた。剣を閃かせると、赤いポリゴンが散る。ざり、と地を踏みしめ、さらにもう一撃。
「下がって! その人の回復をお願い!」
「……ええ、分かったわ!」
割り込んできたネージュにその場を明け渡し、私は踵を返した。崩れ落ちている男へと駆け寄る。腰のポーチから瓶を取り出し、
「ほら、今のうちに!」
「……あ、ああ……」
弱々しい声を上げながら私からポーションを受け取る。しかし、その両手はブルブルと激しく震えていて、口元へ持っていくことすらままならないようだ。
初期装備の剣が男の横に転がっていることから、おそらく≪はじまりの街≫から出たことの無いか、良くて≪はじまりの街≫の周辺でしか狩りをしないプレイヤーなのだろう。私はきつく唇を引き結んだ。
「……こんな人まで巻き込むなんて……
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