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ソードアート・オンライン 舞えない黒蝶のバレリーナ (現在修正中)
第一部 ―愚者よ、後ろを振り返ってはならない
第1章
第7話 六花が贈るメッセージ(中編)
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なくても解るわよ。けれど!」
どうして、そんなことを言うのか。真っ先にその言葉が浮かんだ。
すると彼は、私の脳をスキャンでもしたのかと思いたくなるほど正確に、次の瞬間にはその解を寄越してきた。
「現実世界でも、もしもの時を考えて、生きているうちの自分の意思を残すだろ? ……それと一緒だよ」
「……っ、それは、そうだけれど……」
ぐっと唇を噛み締めた。
痛覚はないのだと、改めて実感する。……向こうならきっと、血が滲んでいただろうから。
私はちらりと、上を見上げた。いつの間にか、葉の隙間から金色の光が覗いている。
その輝きに、ふぅ、と息をつき、再びネージュの方を見た。
「……私でなければ駄目なのね?」
「うん。君になら――――、キカちゃんにしか頼めないことだから」
「……そこまで私を信頼しているなんて、思ってもいなかったわ」
涙が出ちゃう、と冗談めかして言えば、彼はそれに乗っかるように笑い声をあげた。しかし、それも少しばかりの間だけで、すぐに二人の間をピンとした冷たい空気が生まれる。
私はネージュから視線を注がれているのを意識の端で感じながら俯き、……そしてすぐに顔を上げた。
答えは、決まった。それが、彼の意思なのだと言うのなら。
「……わかったわ」
「え?」
白々しい返事をするネージュを軽く睨みながら、続ける。
「だから、その頼みごとを受けさせてもらうって言っているのよ。……これくらい、ネージュなら解っているでしょう?」
先ほどと同じセリフを彼に返す。ネージュは苦笑いを浮かべた。
「……うん、そうだね」
返しに若干の間が空いた彼を置いて、私は一人、立ち上がった。そして数歩前に進んでから、振り返らずに後ろへ向かって声をかける。
「それで、具体的にどうすればいいのかしら?」
「……あ、あぁ、うん。……まず、共有ストレージを作ってほしくて……」
言葉とほぼ同時に、承諾するか尋ねるダイアログが表示された。私は首を傾げながらも、OKの方へ指を持っていく。
すると、またしてもタイミングばっちりに、疑問を解く言葉が発せられた。
「渡す日を、あの子の来年の誕生日にしてほしいんだ」
「……来年?」
若干の疑問を覚えて聞き返し、作成されたばかりのフォルダを開く。どうやら仕事が早い人間のようで、もうすでにアイテムが一つ追加されていた。どうやらアクセサリーらしい。
その存在だけ確認してタブを閉じたとき、彼の言葉が続いた。
「うん。今月が誕生日だから本当はもうちょっと先なんだけど、先月早めに渡したんだ」
血を吐いているかのような苦しげな声だった。悲しみに溢れた彼の表情を、息を呑んで見詰める。
「……ネージュは、何をその人にあげたのかした?」
彼の見たことが無い雰囲気に、嫌な想像が頭の中で掠
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