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ソードアート・オンライン 舞えない黒蝶のバレリーナ (現在修正中)
第一部 ―愚者よ、後ろを振り返ってはならない
第1章
第7話 六花が贈るメッセージ(中編)
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。分かっていたわよ……」
「んん? ……な、なんか、一人で納得しているみたいだけど……?」
「良いのよ。そう、良いの、ネージュ。私、あなたのそういう所って好きだから」
「……喜んで良いの? ねえ、喜んで良いんだよね?」
 心なしか涙目になっているような気がしなくもないが、無言でスルーを決め込む。あんなに悩んでいた自分が馬鹿らしくなってきて、うっすらと笑った。
「だって、立ち止まらなければそのうち出られるかなーとか、思うでしょ? ……思うよね?」
「はいはい、そうね。確かにウダウダ悩んで立ち止まっているよりかは、よっぽど効率的かもしれないわ」
「な、なんか、あまり褒められているように聞こえない……」
「……私には、とてもそんな風には行動出来ないもの。正直、羨ましいわ」
 分かっている。先ほどの私は、可能性ばかりを考え過ぎた。私があの時にすべきだったのは、根拠のない想像をして思考を空回りさせることではなく、現状の整理をすること。不明な項目は保留にし、現状の一刻も早い解決を目指して行動へ移すこと。
 ストーリーがあるのならただ単に進行する条件が揃っていないだけで、場所や己の行動次第で変わるかもしれないし、同じ状況に陥ったプレイヤーがいるのか不明なのなら、それこそネージュのように足を動かさなければいけない。つまり、あの場でいつまでも留まっていても状況が変わることはなく、良くも悪くもならない。
 私は“冷静になれ”と自らへ命令しておきながら、かえって混乱する方向へ突っ走っていたのだ。
 だからこそ、ネージュのような適度にルーズな人は羨ましいと、たまに、ほんの少しだけ思う。きっと私にはかなり不向きな考え方だろうから、実行は出来ないだろうけれど。
「本当、あなたはこういう時でも余裕を持って行動出来て良いわね」
「そうかな? ……キカちゃんが思っているほど、僕に余裕は無いよ。これでも急いでいるんだから」
「嘘でしょう? あなたが急いでいるですって? こんな所で冗談はよしてちょうだい」
「ひどっ! 僕だって、一応焦ったりするんだからね!?」
「ふふ、そうなの? 信じられないわ」
 拗ねたような口調で言いながらも彼の目は笑っていて、私も自然と頬を綻ばせながらわざと茶化す。
「だって、あんまりにも呑気に構えているのだもの。とてもそうは見えないわよ」
「そ、それにしたってさ、もっとこう……、せめてオブラートに包んでよ!」
「そう。なら、能天気かしら?」
「……それ、さっきのよりもひどくなってない? ……いや、いいけどさ、でも本当に、予定よりも帰りが遅くなってしまいそうだから内心は焦ってるんだよ?」
「あら、誰かと会う約束でもしているのかしら?」
「……う」
「…………え、まさか本当に、人と会う約束をしているの?」
 言葉を詰まらせ
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