第50話妖精女王行動開始
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「そうか、それは残念。アルンに行くのか?リーファ、ライト君。物見遊山か?それとも・・・」
「領地を出る・・・つもりだったけどね。でも、いつになるか分からないけど、きっとスイルベーンに帰るわ」
「そうか、ほっとしたよ・・・ライト君は?」
サクヤさんはリーファとライトがレネゲイドになるのではないかと思っていたが、リーファは必ず帰るそうだ。ライトはーーー決まってるだろうな。
「オレは領地を出るよ。やっぱ大きな組織は苦手でな・・・信頼出来る友達が数人いればそれでいいんだ」
「そうか・・・君の名前は残しておくよ。気が向いたら帰ってきてくれよ?彼らと一緒にな」
「途中でウチにも寄ってね〜♪大歓迎するよ♪」
ライトは組織よりオレ達を取って、レネゲイドになる事を選んだ。でもサクヤさんはライトを除名する訳ではなく、帰る場所を残してくれた。アリシャさんも道中でケットシー領に寄らせてくれるし、領主サマってのは気前が良いなーーー
******
シルフとケットシーの同盟の最終目的は世界樹の攻略。オレ達はそれに参加させてもらえる事になった。でも攻略メンバー全員の装備を整えるのに資金の問題で暫くかかるらしい。そこでキリトが資金の足しにと所持金全部差し出したのだがーーーそれが一等地にちょっとした城が建つほどの大金だったから準備も予定よりも早く済ませられるそうだ。
そしてこの会合に集まったシルフ・ケットシーの面々は攻略の準備に取りかかるために、来る日に必ず会う事を誓い、空に飛び立った。
オレ達も行こう。あの大きな樹の上にいるかもしれない、戦友達に会うためにーーー
三人称side
ここは世界樹の上に吊るされた鳥籠。だがそれはペットのインコやオウムなどの鳥を飼うサイズとは程遠い物であった。解放感と束縛感が入り交じるこの鳥籠に設置されたベッドの上に、一人の女性が横たわっていた。
腹を大きく露出させた白いドレス、半透明な白い妖精の羽、栗色の長い髪。彼女の名は妖精女王ーーーの役目を押し付けられた女性、元SAOプレイヤー、《閃光》のアスナこと、結城明日奈。
その彼女はーーーベッドから起き上がり、鳥籠の扉の横に設置されたキーボードの前に立つ。
「8、11、3、2、3、2、9」
彼女は覚えていた。人知れず非道な実験を行っているこの妖精の世界の神が与える屈辱に耐えながら、この時のためにーーー反撃開始の瞬間を待ち続け、この鳥籠の外に飛び出す。
「キリトくん・・・わたし、頑張るからね」
彼女は動く。彼女は戦う。あの剣の世界で出会い、愛した男にもう一度会うためにーーー
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