シリルvs.ノーラン
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・・・」
威力は絶大だったはず。それなのに、その攻撃はノーランにあっさり破られてしまった。確かに彼のもとに到達する前に少しずつ衰えているように見えなくもなかったが、それでも当たればいいダメージを与えられたはず。それなのに、あいつはずいぶんあっさりとそれを打ち破ってきやがった。
(調子が悪い?いや、体自体は違和感があるわけでもないからそれはない・・・と思う)
魔法の力がいつもより落ちているのが原因だとは思うんだけど、何が理由で落ちているのかわからないから対策の建てようがない。ミラさんとエルザさんと戦ってた時は問題なかったわけなんだから、その後に何かあったってことか?
「考えられるのは・・・」
左腕の前腕を握り絞める。ノーランにも意識を向けたまま、チラリと妙な模様が浮かび上がっているその腕に視線を落とす。もし俺の不調の原因があるのだとしたら、それはこれ以外には考えられない。
そもそもこれは何なんだ?魔法を封じる印?いや、でも冥府の門は大陸中の魔力をすべて消滅させる兵器、魔導パルス爆弾フェイスを使おうとしているんだ。今さらたった一人の魔力を拘束して意味があるとは思えない。
フェイス計画が失敗した時のための保険か?でもミラさんの体にはこんな模様なかったし、俺一人だけ縛りをつけるなんてことがあるだろうか?縛るなら捕らえたメンバー全員にやるべきだし、それが当たり前のことだろう。
「むぅぅぅぅ!!」
訳がわからず頭をかきむしる。一体これが何なのかもわからないし、わかったところで不調が回復できるとは限らないし・・・どうすればいいのかな?
「何に悩んでるのか知らねぇけど、隙だらけだぜ?」
ノーランはそう言うとまたしても腕を振り上げる。
「くっ!!」
あいつが動くよりも先に魔力の流れと筋肉の動きからコースを予測して回避行動に出る。その結果、高速で降り下ろされたノーランの腕から放たれた謎の攻撃は、俺の脇をすり抜けて後ろの壁を切り裂いた。
「今だ!!」
敵の攻撃を避けた今が大チャンス。そう考えた俺はすぐに進行方向をノーランへと変え突撃する。
「水竜の・・・」
ジャンプしながら足に魔力を纏わせ一気に距離を詰める。ノーランは腕を振り切っていたこともあり、こちらに体を向けるのに時間がかかっている。
「鉤爪!!」
ノーランの顎目掛けて放たれたドラゴンの爪。その一撃が入れば間違いなく脳震盪が起こるであろう。そうなれば、さっきの劣勢から優勢に事態を立て直すことができるはず。そう思い渾身の力を込めた攻撃・・・それなのに・・・
ガシッ
ノーランはその攻撃をあっさりと受け止めた。
「何!?」
向こうは体勢も悪く反応も遅れていた。おまけにノーランの魔法は物体
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