シリルvs.ノーラン
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、なんかムカつく。
「情けない姿だな、シリル」
「何?」
顔を上げてこちらを見下したような笑みで見下ろしてくるノーラン。その男の態度に目を細める。
「だってそうだろ?お前は三大竜とかいう奴等を一人で圧倒したそうじゃないか。なのに今は、たった一人の・・・それどころか全力すら出してない相手に手も足も出ない。これが情けなくて何が情けないんだ?」
「ぐっ・・・」
これは挑発だ。ここで怒ったら相手の思うつぼ。冷静に、冷静に・・・
「それとも何か?三大竜はこんなしょぼいお子様に手も出ないヘッポコどもなのか?」
その言葉を耳にした瞬間、堪忍袋の緒が切れたのがわかった。
「てめぇ!!」
「おっと」
水の剣に腕を変化させて斬りかかる。ノーランはそれを横に小さく飛んであっさり回避している。
「どうした?当たってないぞ?」
いまだに膝をついたままのこちらを見下しノーランはそう言う。止血も終わり、一時的な痛みも引いてきたので、足に力をいれて立ち上がる。
「ふぅ・・・」
しかし、なぜか立ち上がった際に猛烈な疲労を感じ、大きく息をつく。おかしいなぁ、体力がこの程度で尽きるはずなんかないんだけど。
「もうお疲れかい?」
「まだまだ!!」
両手で十字を作り敵を見据える。ノーランはそれに対処するべく攻撃の姿勢へと入る。
「水竜の・・・翼撃!!」
水の翼を作り出し目の前の敵を飲み込もうと考える。だが、
「え?」
勢い良く放たれたはずの水の翼。それは、ノーランに届く前に徐々に蒸発してしまい、消えてなくなってしまう。
「あ・・・あれ?」
なんでだ?力が入ってなかった?それとも魔力がちゃんと込められていなかったのか?でもいつも通りにやっていたはずだし、何かおかしい点は思い付かないんだが・・・
「どうした?攻撃が届いてないぞ?」
「うるさいうるさいうるさ~い!!」
攻撃が消滅した辺りを指さし挑発にうって出るこの男に苛立ちが立ち込める。イライラしすぎてるから、力がロスしてるのか?その結果なんてない動作で疲労が溜まったり、魔法が思うほどの威力を出せていないのか?
「考えてたって仕方ない」
体を捻り、頬を大きく膨らませる。威力が足らないなら、いつもより強く力を込めればいい。
「水竜の・・・咆哮!!」
ブレスに全神経を集中させてぶちかます。普段の何倍もの大きさで放たれたそれは、みるみるうちにノーランへと迫っていく。
「このままいけぇ!!」
声と共になおもブレスを吐き出す。敵に攻撃が当たると思った直後、ノーランが腕を振るう。すると、津波ほどの大きさのあった水の波動は、真っ二つに分断されてしまった。
「どうだ?」
「そ・・・そんな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 ~小説投稿サイト~
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ