シリルvs.ノーラン
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がっている。うっすらと消えているのか、はたまた浮き出ている最中なのかは判断できないが、確かにそこには模様が描かれていた。
「やっと気付いたか、おチビさん」
「っ・・・!!」
勝手に人の服を脱がせたり何かおかしな模様を入れたり・・・好き勝手やりやがって・・・
「セシリー、離れてて」
「オッケ〜!!」
安全のためセシリーをこの場から離れさせておく。あいつは戦うのは苦手だし、これが一番無難なはず。
「お前は俺がここで倒してやる!!覚悟しろ!!」
ノーランを指さし宣言する。こいつの血を回収するのは、戦っている最中にいくらでもできる。殴って返り血を服にもらうのもいいし、倒した後に何かしらの入れ物に入れるのだって構わない。とにかく今は、こいつを仕留める!!
「水竜の・・・鉄拳!!」
地面を強く蹴り、顔面目掛けて握りしめた拳を向ける。水を纏ったその一撃は、男の頬に突き刺さった。
「え?」
攻撃が当たったことに驚きを隠さない。こいつは今避けようとしていなかった・・・それどころか、受け止めようともしないで、まるで自らの意志で攻撃を受けたかのような、そんな印象を与えた。
「それが今の全力かい?」
「!!」
目をギョロッと動かしこちらを見るノーラン。その顔は完璧に俺の拳を受けたはずなのに、全くダメージを受けているようには見えない。
「ふっ!!」
「うっ!!」
足で腹部を蹴られたことでその場に尻餅をついてしまう。そこからノーランは体を回転させて回し蹴りを仕掛けてきたが、間一髪頭を下げて回避する。
「くそっ・・・」
立ち上がりすぐさま距離を取る。でも、なんであの程度の蹴りで尻餅なんかついちゃったんだ?普段ならそんなことないはずなのに・・・
「悩んでいる暇は・・・」
さっきの出来事を思い出していると、敵は右手を横に上げ魔力を集中させている。
「ないんじゃねぇの!?」
ザクッ
「!!?」
ノーランが腕を振るうと突然、左肩の辺りから鮮血が吹き出る。あまりの痛みに、傷口を押さえその場に膝をつく。
「がっ・・・くっ・・・」
「シリル〜!!」
「来るな!!」
痛みを堪えながら、こちらに来ようとしたセシリーを制する。血があふれでている箇所に水を当てて止血を行う。しかし、頭の中ではある疑問が浮かび上がっており、それを必死に考えている。
(今・・・何か持ってたか?)
振るわれたノーランの手には何も握られていなかったように見えた。しかし、実際は俺の体に刀に切り裂かれたような傷ができた。これは一体どういうことなんだろうか?
「クククククッ」
思考を凝らしているとノーランが顔を伏せて笑い出す。その笑い方がこちらを嘲笑っているようで
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