外伝「鈍色のキャンパス」
V.Bourree
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。
鍵を開けて中へ入って見ると、俺はその光景に我が目を疑った。
「どうなってんだよ…。」
つい最近、俺は検査を見学させてもらった。俺が見ても正常だった筈だが…目の前の光景は違ったのだ。まるで何十年も放置したかのように…風化していたのだ。
俺はそこを見て回ったが、木製パイプは崩れかけており、金属製パイプも腐食されている有り様だ。この状態をどうしたら引き起こせるのか…正直、俺には分からない。
「つい…さっきまで演奏してたんだぞ?この状態で…音なんて出せる筈がないのに…。」
俺がそう呟いた時、後から宮下教授と大西教授が姿を見せた。
「藤崎君…これは一体どうなっとるんじゃ…。」
宮下教授はそう俺に問った。大西教授も信じられないといった風な表情をして辺りを見ている。
「僕にも何が何やら…。突然パイプに亀裂が入ったので慌ててここへ来たんですが、僕が入った時には既にこの状態で…。」
こうしか言えなかった。他に言葉も見付からず、こうなった理由も検討がつかないのだから…。
こんなことが現実なんて考えられないことなんだ。だが、目の前にある光景は、それが確かな現実であることを物語っている。
しかし、これは始まりに過ぎなかった。この後、大学には立て続けに禍が降りかかることになるのだから…。
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