第18話『部長VS.副部長』
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ていた。
そして一歩、一歩と副部長へと歩み寄り始める。まだ痺れがとれないのか、それとも怯えているのか、副部長はその場から逃げることができない。
「……」
「ひっ!」
遂に部長が副部長の目の前に立つ。普段の態度と一変して、見た目相応にビビってる副部長は見てて小気味よいものがあるが、今はそれよりも何をしでかすのかわからない部長を止める方が先決だろう。
「ぶちょ──」
しかし俺の言葉が発される前に、部長は動いた。
「お前はまだ俺には勝てねぇんだよ」
「あぅ!」
そう言って、部長は副部長にデコピンをかました。
俺らは拍子抜けする。あんなに怖い表情をしていた部長が、いつの間にか太陽の様に明るい笑みを浮かべていたのだ。
それを見ながら、おでこを押さえ、涙目になっている副部長。
対照的なこの2人を見てわかること・・・それは部長が勝利したということだ。
*
決着がついたあの決闘から数時間。魔術部メンバーは揃って広間で夕食を食べていた。
あの後、部長と副部長が疲れ果ててそれぞれ寝込んでしまったので、練習も何もなくなってしまった。先輩方は喜んでいたけど。
つか結局、あの戦闘は意味がなかったじゃん。
「部長たち、大丈夫かな?」
「さぁな」
俺の問いに暁君は素っ気なく返した。最近ようやく暁君の俺に対しての敬語が抜けたのだが、相変わらずクールだなと思う。
「あんま心配すんなよ三浦」
「そうそう。あの人たちは昔は結構闘いまくってたから」
「俺らも慣れっこだな」
「うんうん」
先輩方もそんなに深くは考えてはいないようだった。でも心配くらいはした方が良いんじゃないかな?
「んじゃ俺らもう寝っから」
「銭湯は自由に使って良いらしいぞ」
「また明日な」
「頑張れよ、新入り達」
そう口々に言った先輩方は部屋へと戻っていった。終始ニコニコしてたなぁ。
「俺は寝るぞ、三浦」
「え、風呂は?」
「1日くらい平気だろ。明日入るし」
いやそれはちょっと不潔じゃないか? まぁ本人がそれで良いなら・・・。
俺は入るとしよう。
*
皆が寝静まっている頃、俺は風呂を済ませ部屋へと戻ってきた。こっそりと襖を開けて見ると、先輩方や暁君は普通に寝ている。
あ、俺の分の布団敷いてある。ありがとうございます。
抜き足差し足忍び足で自分の布団の所に行くと、横目で隅っこで寝ている部長を確認できた。
部長のおかげで、今日はとても面白いものを見れた。俺は心の中で「お疲れ様でした」と言い、いよいよ寝ようとする。が、
「あ…」
急に喉が渇
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