第2章:埋もれし過去の産物
閑話5「夜の一族と式姫」
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「一体どれだけ術式込めてるのよ!?」
どんなまじない師でも込めるのに丸一日はかかるわよそんな術式!?
「いやぁ、暇な時いっつも術式考えたりしてたから...。」
「だからってこれは...。」
どんなに良く見ても、生粋の陰陽師などではない者が組めるような術式ではなかった。....どれだけ凄いのよ、優輝は...。
「....とても助かるけど...貰っていいのかしら?これほどのもの...。」
「どうぞどうぞ。暇な時に作ったものなので。」
...タダであげるとか、本職の人が聞いたら卒倒するわよ...。
「...ちなみに、椿ちゃん...椿さん?」
「...好きな呼び方でいいわ。見た目と相反しているのは自覚してるし。」
「じゃあ椿ちゃんで...貴女はさっきとても驚いていたけど、これの価値って実際どれほどのものなの?...とてもタダで貰えそうにないありがたさなんだけど...。」
...言っていいかしら?...いえ、言っておいた方がいいわね...。
「...国が挙って欲しがる程の代物よ。....そうね、一枚だけで小さな家一つは買えるんじゃないかしら?少なくとも、金持ちになれる程の値打ちよ。」
「....本当に対価なしで貰っていいのかしら?」
それには激しく同意だわ。忍。
全く、どうして優輝はこんなとんでもない物をいとも簡単に...。
「あ、じゃあさっきの残骸解析させてください。」
「...それっぽっちでいいの?...いえ、さすがに口外はしないでね?」
「ええ、それだけでいいです。もちろん口外もしません。」
それならと、忍は承諾し、優輝はそれらが保管されている部屋に向かった。
優輝が去った所で、忍と私達は溜め息を吐く。
「...優輝君って、凄まじいわね...。」
「最近、凄さに磨きを掛けてきたのよね....。つくづく驚かされるわ...。」
既に、陰陽師じゃないのにそこらの陰陽師以上に霊力を扱えてるわね...。
というか、術式を編む事に関しては、既に私達と同等じゃないかしら?
「...あ、そういえば言い忘れていたのだけど...。」
「あなた達の一族に関しては口外しない...でしょ?」
「分かっていたのね...。」
「私達も似たようなものなんだから当然よ。」
いつだって世間は例外的な存在を忌避するわ。
それが分かっているから、私達の存在は秘匿するべきなのよね。
「困った事があったらお互い助け合いましょう。」
「...そうね。こちらとしても、助かるわ。」
私的に、この街はいい街だと思っているからね。
忍...月村家とも良好な関係を取っていきたいわ。
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