第2章:埋もれし過去の産物
閑話5「夜の一族と式姫」
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事を聞いた時...。」
「そう。私達の仲間に同種族がいたら何とも思わないわ。...と言うか、自分自身が人間じゃないのに、どうして人外ってだけで差別するのよ。」
私なんか神様だし。人を差別ってどうかと思うわ。
「私達式姫は、陰陽師に使役されながら妖を討伐する事を生業としてたけど、今では式姫を使役する陰陽師もほとんどいなくなって...というか、陰陽師自体が少なくなっているわね。...そうなってからは、段々と式姫たちは幽世へ還っていったわ。」
「まぁ、あたし達はその生き残りみたいなものだね。」
私達以外に生き残りがいるかは知らない。
...まぁ、ほとんどいないでしょうね...。
「ちなみに、今は優輝に使役されてるわ。優輝は霊力も持ってたから、契約ができたのよ。」
「あたしはちょっと事情があってデバイスになったけどね...。一応、仮初めだけど優ちゃんと契約はしてるよ。普段はかやちゃんのユニゾンデバイスだけど。」
...と、一気に説明したら訳わからなくなるわね。
「...まぁ、簡単に言えば、以前に優輝にお世話になってね。それ以来、優輝の家に住まわせてもらっているって訳。...他の詳しい事は別に覚えなくてもいいわ。」
「そ、そうですか...。」
アリサとすずかは、自分なりに私達から聞かされたことを整理しているようね。
...まだ子供なんだし、気楽に考えればいいのに。
「それにしても...また誘拐されるだなんて...。」
「家の警備はともかく、すずかお嬢様、アリサお嬢様個人の安全性を考慮すべきでしょう。」
「そうよね...。どっちも、外出時に攫われたんだもの。」
攫われた事に対する対策を、忍は考える。
...確かに、また攫われたら危ないものね。
「あ、ならこれとかどうですか?」
「これは...御札?」
優輝が忍に渡したのは、一目で複雑な術式が込められていると分かる御札だった。
「二人がこれを見に付けていれば、危険が迫った時に知らせてくれるんです。」
「知らせるって...誰に?」
「少し手間を掛けますけど、基本的に誰にもです。それも、複数人。」
...なるほど。そんな術式なら複雑になるのも当たり前ね。
「でも、私達魔法もその陰陽師みたいな力もないわよ?」
「大丈夫です。これは所謂第六感的な感じで知らせてくれるので。」
...前言撤回。さっき言った術式なんて少し苦労するだけだわ。
...霊力すら持っていない人でも感知できる術式って...一体どんな術式なのよ!?
「また、掠り傷とか小さい怪我程度は負いづらくなる加護と、致命傷を防いでくれる加護も付けてあります。」
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