第2章:埋もれし過去の産物
閑話5「夜の一族と式姫」
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の敵じゃないわ。
「ああ、そう。逃がさないわよ。」
「がっ!?」
慌てて逃げようとした男に御札を投げつける。
痺れさせるような術式を込めていたため、男は痙攣しながら崩れ落ちる。
「ふふふ。あたし、最近...というか、ここ何年も血を吸ってないの。」
「ひっ...!」
人形を全て破壊し、葵は男にレイピアを突きつける。
「だから、ちょっと吸わせてくれる?」
「や、やめろ...!」
うわぁ...分かりやすい脅しね...。葵も楽しんでるわね。あれ。
「...なーんて!あたしが吸うとしたらかやちゃんだよ!」
「あんたはここでもそれか!!」
―――ポン!
...ハッ!?思わず葵を射ってしまったわ...。
まぁ、蝙蝠に変わった事からどうせ偽物だけど...。
「えー?嫌?だったら、優ちゃんとか...。」
「ゆ、優輝もダメよ!」
続けてそう言った葵に、私はそう叫ぶ。
...って、別に、そう言うつもりじゃ...!
「へぇ〜....。」
「っ!?〜〜〜っ!!」
ニヤニヤと、葵は笑う。
それだけで私は燃え上がる程顔を赤くするのを、自分でも感じ取った。
「皆!無事か!?」
「すずか!アリサちゃん!」
「椿!葵!」
...と、そこで優輝や恭也達が助けに来た。
「もう終わってるよー。」
「あー、やっぱりか...。...で、犯人は...。」
「...安次郎さん...。」
葵がそう言うと、やっぱりとでも言いたげな表情で優輝は辺りを見回す。
主犯の男を視界に捉えた所ですずかの姉(...よね?)が男の名前を呟く。
「...一般人にこの御札は破れないよね。とりあえず、拘束しますか。」
「それにしても、凄いのね式姫って...。」
優輝が男を縄で縛るのを余所に、すずかの姉が壊れた人形を見回しながらそう言う。
「すずかお嬢様、お怪我はありませんか?」
「アリサお嬢様もです。」
「だ、大丈夫だよノエル...。」
「大丈夫よ鮫島。...ありがとう、助けに来てくれて。」
それぞれの付き人らしきメイドと執事が二人を介抱する。
...まぁ、縄で拘束されてた以外、特になにもないから大丈夫ね。
「...うわぁ...これ、全部凄い作り....魔法技術なしでこれって凄いなぁ...。直接見て改めてそう思ったよ...。」
「...何してるのよ優輝...。」
「ん?あー、何かしら役に立つかなって。」
優輝は拘束し終えた後、人形の残骸を見ていた。
...優輝に天探女を見せたらどんな反応をするかしら?
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