第2章:埋もれし過去の産物
閑話5「夜の一族と式姫」
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いとも!なにせ、人ではない者を助けようとしてるのだからな!」
「...へ?」
男の言葉に葵が素っ頓狂な声を上げる。
「何の因果か知らんが、すずかと忍は人間と仲良くしているみたいだが...。せっかくだから教えてやろう。俺達は...月村の一族は夜の一族と言ってな...所謂吸血鬼なのだよ!」
「....へぇ....。」
知らされた真実に、思わず葵がそんな言葉を漏らす。
...すずか達が吸血鬼...ね。
「それがどうしたって言うね。」
「そうね。吸血鬼程度で驚く訳がないわ。」
「なっ....!?」
別段、驚く事もない。私達は、それ以上の存在と巡り合ってきたのだから。
...というか、吸血鬼なら私のすぐ隣にいるし。
「だから、安心していいわよ。すずか、アリサ。」
「へ...えっ?」
「...ちょっと、不安に思っていたでしょう?私達が、貴女の正体を知って軽蔑するのかもしれない。もしそうだったらどうしようってね。」
アリサは以前に知ったようで、すずかと同じ事で少し不安だったらしい。
...でも、それでも大体信じていたのは、私達が優輝の家族だからかしら?
「...というかね?吸血鬼って言うのは....こういう存在なんだよ!!」
「っ...!?」
瞬間、葵が見せびらかすように式姫としてのいつもの姿になる。
マントをはためかせ、赤い瞳を爛々と輝かせ、鋭い犬歯を主張する。
ついでに、私も横で式姫としてのいつもの着物姿になり、隠していた耳と尻尾を出す。
「夜の一族?すずかちゃんには悪いけど、あたし達にとっては、ただの特異な人間だね!」
「予定変更よ。隠しておこうと思ったけど...私達式姫の力、見せてあげる!」
御札に変えていた弓を持ち、霊力の矢を番える。
葵もレイピアをどこからともなく取り出す。
「え、ええっ!?」
「自動人形?いいわ、かつていた妖より強いか、私達が見定めてあげる。」
「壊れたって文句言わないでね!」
そう言うと同時に、驚く二人を置いて私達は駆け出す。
まずは...一番近い奴から!
「“弓技・旋風の矢”!」
「“戦技・三竜斬”!」
元々、感情もない。魂もないのは分かっている。
だから、私達は躊躇なく自動人形を破壊する。
すると、男の表情が分かりやすく崩れた。
「な、なんなんだお前ら!?」
「陰陽師って分かるかしら?」
「あたし達は、その陰陽師に仕えていた、式姫。」
「...ま、つまりは裏の存在よ。」
狼狽える男に適当にそう言い、人形を破壊し続ける。
抵抗してくるけど、霊力を解禁した私達
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