お前の相手は俺だ
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の人らしい。かなり強い人物なのだと悟ったミラさんと俺は、リサーナさんを後ろに隠すように立ち並ぶ。
「エルフマンというものには、ギルド爆破の命令を出しました」
「「「!!」」」
彼女の口からいい放たれた言葉を聞いて、三人とも目を見開く。
「見事にギルドを粉々にしてくださいました。しかし、誰一人殺せなかった。私の失態・・・」
顔をうつ向け明らかに苛立っている彼女を見て、俺たちは逆に安心する。ギルドを爆破されたと聞いた時は、最悪の事態が頭をよぎったが、どうやらそれは避けられたようだ。
「キョウカ様の前で、恥をかきましたわ。あの男のせいで・・・私の物語が破れていく・・・この恨み、姉の命で償わせよう」
「あなたが私のきょうだいを?へぇ・・・」
怒りを覚え、互いに暗黒面に落ちたのではないかと思えるほどの表情を浮かべている二人。だが、悪魔の女性は、一度、目の前の敵から視線を外す。
「その前に、私とキョウカ様の楽しみを壊した、その少年を殺して差し上げましょう」
突然怒りの矛先がこちらに向く。彼女は歯軋りをさせながら、こちらを睨んでいる。
「その容姿で少女ではないなんて・・・信じられませんわ。あんなものを私たちに見せて・・・」
「なっ/////」
その発言を聞いてすぐに体を隠すように行動する。まさか俺裸だったのって・・・この人のせいか!?
「次はちゃんと女の子に生まれてきてくださいな」
「いや!!それはおかしいだろ!!」
勝手に服を脱がしておいてその理屈はおかしい。むしろ謝罪しろ!!謝罪を!!
「問答無用!!」
地面を蹴ってこちらに突撃してくる女性。俺はそれを弾こうとしたが、目の前で攻撃がカットされてしまう。
「あら、ずいぶんとご挨拶じゃないの?」
「おのれ・・・」
いつの間にか接収したミラさんが俺の前に立っていたのだ。彼女は掴んだ相手の腕を投げるようにし、敵との距離を広げる。
「シリル、この人は私に任せて」
「でも・・・」
売られたケンカを買わないのは、正直気が引ける。しかし、反論しようと口を開いたところで、ミラさんの横顔が視界に入り、言葉を失った。
「私の大切なきょうだいを傷つけた。それが私は許せない」
魔法を使っているせいもあるのだろうが、ミラさんの顔はいつもの彼女のそれはと明らかに違っていた。親の仇を見ているかのような、そんな鋭い視線で敵を見据えている。
「あなたはエルザやナツと合流して」
「わかりました」
有無を言わせぬ強い口調でそう言った彼女に素直に従う。彼女が怖いのも理由の一つだが、ここにこれ以上いると彼女を見る目が今後変わってしまいそうなので、俺は何も見ていないと心に言い聞かせながら、その場を後に
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