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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十五話 麻薬撲滅捜査を展開します。
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インハルトはすぐにうなずいた。

「グリンメルスハウゼン子爵か、あの狸爺だな」

 歩きながら突然ラインハルトが言ったので、またまた二人はびっくりした。

「あの昼行燈の顔の裏には、人の心理を見抜く洞察力があるのを俺は知っている」

 不思議そうな顔をしている二人に、アレーナ姉上から散々聞かされたのだとラインハルトは補足した。

「それに、駆逐艦ハーメルン・ツヴァイでのこともある。あの時ほど身につまされたことはない。つまりは、一瞥しただけでは、人の真価を全面的に見たわけではないということを教えられた。また、欠点があっても、他の面で人より抜きんでている者を蔑視すべきではないということも教えられた。反対に、利点はあっても連帯面で害をなす者については、放逐すべきことも、な」
「はい。今後ラインハルト様の周辺の人材登用面で、大いに参考になる事項です」

 話が過ぎたな、それでは行こうか、とラインハルトは再び歩を進めた。

「ねぇ、フィオ」

 歩き出していく二人の背中を見ながらティアナはフィオーナに話しかけた。

「なんだかラインハルト、原作よりも視野が広くなってない?」
「そうね。これもきっと幼少期から一緒にいた教官やアレーナさんのおかげだと思う」
「ハーメルン・ツヴァイの時も言ったけれど、私は今のラインハルトの方が好きだわ。助けて支えていきたいって思ってる。でも、それがいい方向に行くかしら?」
「えっ?」

 突然ティアナが不吉なことを言ったので、フィオーナは思わず問い返していた。

「ラインハルトの持っている本来の美点を損なうのではないかということよ。人を魔改造するのもいいけれど、成功例って少ないのよね。そりゃ、イルーナ教官やアレーナさんの腕前は良く知っているけれど、それでも私は不安なのよ。心のどこかでね」

 フィオーナはにわかに胸の中に暗雲のような物が立ち込め始めたのを感じていた。ここまではラインハルトとキルヒアイスは順調に成長していき、階級も上がってきている。転生者たちも自由惑星同盟に亡命して、今のところほかの転生者たちが現れて、活動する様子もない。その方面についてはアレーナが逐一監視している。
 だが、確かに順調すぎるのも怖い。どこか知らないところで破綻をきたしていなければいいのだが、とフィオーナは祈るような思いだった。


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