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第二十五話 麻薬撲滅捜査を展開します。
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ろしい点は」
ケンプは鋭い目で二人を見た。
「人工的に精製されているという点だ」
「人工的に・・・・」
「そうだ。だが、これまでイゼルローン要塞内ではそういった麻薬中毒患者がいた形跡はない。要塞内に寄港している部隊からもだ。ところが今回のカイザーリング艦隊が寄港し、しかもその兵が麻薬中毒患者だった。となると・・・・」
「そのカイザーリング艦隊には、麻薬中毒患者がほかにもいる可能性があり、もっと掘り下げれば、カイザーリング艦隊内部で麻薬が精製されているかもしれない、ということですか?」
フィオーナの問いかけにケンプはうなずいた。
「その通りだ。もっとも、精製に関しては大っぴらにできないから、どこか秘密裏に軍用基地などで作っている可能性も否定はできない」
「特定は、できないのですか?」
「残念ながら、残存艦隊と言っても3000隻を超える。40万人近い人間をしらみつぶしに取り調べていくのは、中々難しい」
「それについては、全員を取り調べる必要性はないと思いますが」
ティアナが澄んだ声で言う。
「それはどういうことかな?」
「麻薬を艦隊内に蔓延させるには、それなりの組織が必要だということです。そしてそれを構築するにはある程度の人脈・人望がある者でなければなりません。そして、艦隊規模に蔓延しているということは、それなりの地位の者の黙認を得ているということでもあります。あるいはその者自身が元締かもしれません。例外はあるでしょうが、まず常識的に見て軍の中で高官を優先的に調べるべきでしょう」
「となると、将官クラスか。ふむ・・・・」
ティアナの言葉にケンプはしばらく考えていたが、やがておおきくうなずいた。
「貴官の意見、実に参考になった。感謝する。それと・・・・」
「???」
「先に聞いたところだと、貴官らは要塞憲兵隊事務官だそうだな。私から上司には話しておくから、どうかサイオキシン麻薬の取り締まりに協力してもらえないだろうか?要塞内部の秩序を預かる貴官ら憲兵隊にとっても今回の事は放置できる問題ではなかろう」
「私たちは別にかまいませんが・・・・・」
ティアナと顔を見合わせた後に、フィオーナが当惑そうに答えた。ケンプは苦笑しながら、こういった。
「貴官らの上司には迷惑をかけんさ。代わりに私の方から手不足分は部下たちを補充しておく。申し訳ないが、どうやらうちの部下たちよりも貴官らの方が頼りがいがありそうなのでな」
「それは、光栄ですが、ひとつ気になります」
「なにかな?」
フィオーナの問いかけにケンプが顔を向けた。
「将官クラスの取り調べとなると、どなたか軍の高官の後ろ盾がない限りはうかつに手を出せないのではないかと思います」
「その点は心配しなくともいい。今の軍務
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