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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第527話】
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歩く度小さく地面を揺らした。

 鉄格子を力任せに揺らす怪物――徐々にひしゃげていく門、そして――、その門が完全に破壊されると素早い動きで雅を捉えようとした。


「遅いッ!!」


 ひらりと空を舞う雅、俺も鞘からロングソードを抜き、空ぶった腕を力任せに切りつけた。

 青い液体が飛沫の様に散り、更に空を舞う雅はそのままの体勢で背中を大きく切りつけた。

 痛みによる叫びにも似た咆哮――ギザギザの歯を剥き出しにして俺を睨む大きな目――だが。


「ヒルトの敵は私の敵でもあるからね。 ……串刺しにしてあげるッ!!」


 八式・天乃御柱の矛が青い怪物の全身に突き刺さる。

 白目を剥き、ぐらりと前のめりに倒れた怪物は紫の舌を出し、粒子となってさっきの屍人同様に粒子となって消えた。


「……余程主君を先へと行かせたくないようだな」

「だね。 ……それにしても、世界には色んな生き物がいるんだね。 さっきの逆さ人間とかさ」


 ……あんなのや今みたいなのが居て堪るかと正直思う。

 洋館は気になるも、驚異を退けた俺達は更に奥へと進む――そして。


「……すまない主君、どうやら私たちはここまでのようだ」

「え?」


 振り向くと美春と雅の二人は見えない壁に阻まれてこれ以上進めなかった。

 既に目的地であるドアが並ぶ区域は目と鼻の先だが――。


「……雅、美春、ありがとうな。 助けてくれて」

「ううん。 美春達こそごめんね?」

「すまない主君。 ……短い時間だったが、共に居れた事、嬉しく思う」


 二人はそう言って頭を下げるが、俺は首を振り――。


「いや、本当に助かったよ。 ……後は俺が皆を救出するだけだな」

「うむ。 ……主君、ご武運を」

「ヒルト、雅ちゃん送ったら私も元の世界に戻るね」


 一礼する雅、手を振り見送る美春、短い時間だがまた雅に会えた事を胸に秘め、俺は目の前のドアが立ち並ぶ異様な場所へと足を運ぶ。


「……ここには異形の生物とか現れないよな?」

『この空間は平気。 ヒルト、順番は任せる、から……』


 とりあえず出ないのなら安心――既に雅達は居なく、風に靡く木々の葉音だけが聞こえてきた。

 ぽっかりと空いたこの空間に射し込む太陽の光――ここが電脳世界であることを、さっきまでの異形の生物との戦いさえも忘れさせる感じさえした。


「……簪、とりあえず今の服装じゃなく、制服に戻してくれるか?」

『了解、ちょっと待って……』


 暫くして光が俺の身体を包み込み、ここへと来たときと同様の制服姿に戻った。


「……さて、先ずはここからだ」


 そう
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