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Fate/guardian of zero
第四話 誘惑と驚愕 その四
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舞いそのもの。
 これは異常事態である。
 つまり、学院長がまともであることが、まともではない証拠だった。


「それと、当日の姫様の護衛についてなのですが……」

「そ、それについては、宝物庫の衛士を姫様の近衛兵と連携させればよかろう……」


 オスマンは若干言葉につかえながらも、意見を述べた。
 筋は通っているので、特に訝しむ必要はないのだが、


(明らかに、姫様という単語に反応したわね……)


 ミス・ロングビルは目ざとくその事に気づき、心のメモに書き足す。オスマンは姫様、又は王族に後ろめたいことがあると推測される、と。
 その上で、揺さぶりをかける。


「ですが、オスマン学院長。それでは宝物庫の守りが手薄になってしまいませんか?近頃、土くれのフーケとかいう泥棒が、この学院の宝物庫を狙っている、というのを耳にしまして」

「何、問題なかろう。あそこはトライグルクラスのメイジが何人も束になって固定化と対魔法結界を施しておる。衛士も王宮へ体裁を繕っているにすぎん。いかに土くれのフーケといえども、あの守りを突破するのは不可能じゃろうて」

「そうでしたわね……」


 沈黙が訪れる。
 明らかに不自然な沈黙が。
 そして、その沈黙は意外な人物によって破られた。
 コンコン、と扉がノックされ、来客を知らせた。


「入りなさい」

「失礼いたします!わたくし、郵便師のメンビルと申します!ミス・ロングビル宛に、お手紙でございます!」


 入口でビシと敬礼を決めた青年は、要件を伝えた。
 すると、ミス・ロングビルは私に?と自身を指さし、確認を取る。
 そうです、と返したメンビルは大きく膨らんだ黒い革製のバッグの中身をまさぐり、一通の手紙を取り出した。
 便箋を受け取り、受領書にサインをさらさらと流した後、では! と威勢よく挨拶を終え、メンビルは退室した。


「珍しいの。ミス・ロングビル宛に手紙とは」

「え、ええ。誰からでしょうか……ああ、あの子でしたか」

「あの子とは?……ああ、何。言いたくなければ言わんでよい」

「いえ、あの子……彼女は私の妹のようなもので、たまに手紙を送ってきてくれるのです」

「……ほう。なるほど」


 それ以上は何も言わず、オスマンは手元の書類に目を戻した。
 やはり、おかしい。そう思いながらも、詮索されないのはありがたい、とミス・ロングビルは様子のおかしいオスマンに首を傾げながらも、自身のデスクに戻り、手紙を開いた。


(……あの子は、変わりないみたいね。子供たちも元気でやっているみたいね……ああ、また子供を拾ってきたのね、あの子は……黒い髪で、ボロボロの恰好だった、か。……でもまあ、それ以外は特に
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