美食屋、旧知の人間と再会する。
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ここは、『美食鉄道』の車内。
今回、この列車には、幻の鯨、『フグ鯨』が産卵のために『洞窟の砂浜』へと向かう美食屋たちで賑わっていた。
そんな列車の中で、酒を探してどこかに行ってしまった連れを探している一人の美食屋がいた。
黒髪の長髪を後ろに縛ったその男。
そう、我らが主人公、美食屋『アキト』である。
アキトサイド
「まったく、どこ行ったんだ、次郎さん…」
今、俺は「酒を補充してくる」と言ったまま帰ってこない次郎さんを迎えに、列車内を探している。
まぁ、俺も「あぁ、原作でトリコたちに酒を貰うシーンか」と、深く考えないで 送り出したが、トリコが列車を降りたはずの駅から二十分が過ぎても、次郎さんは俺たちの座席に帰ってこなかった。
いくら何でも遅すぎるので、俺はこうして次郎さんを探しているというわけである。
まったく、どこに行ったんだか…。
すると、
「お〜、アキト。ここじゃ、ここじゃ!」
そこには、大量の酒を持った次郎さんの姿があった。
俺は次郎さんの座っている席へと近づく。
「まったく、探しましたよ次郎さん」
「へへへ、すまんのアキト。つい我慢できなくてここで飲み始めてしもうたわい」
まったく、本当に飲んべえなんだからこの人は。
俺がため息をついていると、
「アキトさんじゃありませんか!」
「うん?」
後ろから俺を呼ぶ声がしたので振り向くと、そこにいたのは、以前、依頼で顔見知りになったとある男だった。
「トール…?トールじゃないか!」
俺の驚きの声に、目の前の男、『トール』は笑みを浮かべて口を開いた。
「久しぶりですね、アキトさん」
☆
「こちらは、次郎さん。俺の師匠の一人だ。そして次郎さん。こいつは美食屋のトール。以前とある依頼で一緒になったことがある」
「そうかそうか。弟子がいろいろ世話になっとるようじゃなトール君」
そんな次郎さんの言葉に、しかしトールはガチガチに緊張してなんとか言葉を絞り出す。
「いいいいいえ!こ、こちらこそアキトさんにはお、おお世話になってばかりで!」
「いくらなんでも緊張しすぎだろトール…」
呆れてそう呟く俺を、しかしトールはどこか信じられないような者を見るような目で睨みつけてきた。
「無茶言わないでくださいよアキトさん。あの伝説の美食屋『ノッキングマスター次郎』殿が目の前にいるんです。緊張しないほうがおかしいですよ!」
小声で文句を言うトール。
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