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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第九十三話 謀略戦(その1)
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も此処で仕事をしてみたいものだ。
それにしても賑やかな部屋だ。興味半分で見回していると長身の女性士官が近づいてきた。こちらも結構美人だ。
「フェルナー大佐ですね。小官はフィッツシモンズ少佐、ヴァレンシュタイン副司令長官の副官を務めています」
彼女がフィッツシモンズ少佐か……。エーリッヒの信頼が厚いとギュンターから聞いている。
「初めまして、アントン・フェルナーです。ヴァレンシュタイン副司令長官に呼ばれてきたのですが」
「副司令長官は間も無く戻られると思います。応接室でお待ちください」
驚いたことに応接室は副司令長官室の隣の部屋に有った。副司令長官室からドアを開けて行き来できるようになっている。一体何部屋使っているんだ?
応接室に入ると其処には既に先客が居た。
「ギュンター、卿も呼ばれたのか?」
「ああ、どうやら卿もらしいな」
部屋に居たのはギュンター・キスリングだった。ブラウンシュバイク公の部下である俺と憲兵隊のギュンターか、妙な組み合わせだ、何を考えている? 考え込んでいるとドアを開けてエーリッヒが入ってきた。手には書類袋を持っている。
「やあ、エーリッヒ、それとも副司令長官閣下と言うべきかな」
声をかけるとエーリッヒは少し苦笑して答えた。
「エーリッヒでいい、ここは私たちだけだ」
「それで私たちに何の用だ?」
「うん、もう少し待ってくれないかな。もう一人来るから」
ギュンターが問いかけにエーリッヒが答えた。もう一人? ナイトハルトか?
もう一人が来るまでの間、三人で話をした。エーリッヒが宇宙艦隊司令長官になりローエングラム伯が副司令長官になるらしい。信賞必罰が問われるだろうと言うと、エーリッヒは曖昧な表情で頷いた。どうやら裏があるな、これは。
「遅くなりました、副司令長官」
謝罪と伴にドアから入ってきたのはシャフト技術大将だった。エーリッヒは柔らかく微笑みながら彼を迎え入れる。卿はそうやって直ぐ人を騙す、悪い癖だ。
「シャフト技術大将、こちらへ。紹介しましょう、憲兵隊のキスリング大佐とブラウンシュバイク公のところに居るフェルナー大佐です。二人とも私の信頼する友人です」
お互いに敬礼を交わしソファーに座る。信頼する友人か、微妙な表現だな。ブラウンシュバイク公の元にも自分の味方がいる、シャフトはそう受け取ったろう。相変わらず駆け引きの上手い男だ。いや駆け引きではない、本気で言ったのかも知れない。
「シャフト技術大将、これを見てください。お分かりになりますか?」
そう言いながら、エーリッヒは書類袋から一枚の写真を出した。写真には要塞が写っている。この要塞は……。
「これはガイエスブルク要塞ですな。これが何か?」
シャフト技術大将が訝しげに問う。
「この要塞
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