Chapter U:Xenogenesis
第05話:initium
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「よし、これで君は僕の眷属だよ、ベル君。」
「はい。よろしくお願いします。神様。」
オラリオのメインストリートからかなり入り組んだ所にある廃教会の地下の一室。
御伽話の英雄譚のような華やかさとはかけ離れた場所で、一人の人間と神との契約が交わされた。
「よし、それじゃあさっさと彼に報告しないとね。僕も少し話しがある。」
「はい。」
そして二人は地下室から階段を登って教会の礼拝堂へ。
壁は所々崩れ、建物の中であるにも関わらず草は生えて風が入り込む。お世辞にも綺麗とは言い難いその場所で、あまりにも場違いな男が一人、書物を片手に椅子に座っていた。
「おーい、ラインハルト君。ベル君の儀式は終わったぜい。」
「そうか。まずはおめでとうと言っておこう、神ヘスティアよ。【ファミリア】の結成、心より祝福しよう。」
その男を一言で表すなら『黄金』。輝く金の長髪に、威厳溢れる声、そして黄金律と称すべき完全な美。
聖槍十三騎士団黒円卓第1位、ラインハルト・ハイドリヒがそこにいた。
???
神ヘスティアとの出会いは3ヶ月程前。主人公を捜索してオラリオを徘徊している時に、露店で売り子をしていた彼女に声をかけられたのが最初だった。
ファミリアに勧誘されたが此方にその気は無かったので勿論断ったが、代わりにファミリアに入りたがっている新人を見つけたら彼女に紹介するという約束をした。
勿論、主人公を彼女の眷属にする為の布石である。
そして、今日。ファミリアへの入団希望を悉く門前払いされていたベルを発見したラインハルトはベルに声をかけ、すぐさまヘスティアへ紹介。ベルはヘスティアの眷属として冒険者になった訳である。
実を言うと、ラインハルトがベルをフレイヤに紹介するか迷っていた事も確かだ。しかし、原作でフレイヤがベルを気に入っていた事から【フレイヤ・ファミリア】にベルを入れる事はベルの成長の妨げになるかもしれないと断念。それにファミリアの仲間とのグループでの行動は安全と引き換えに成長の分配を意味する。出来るだけソロで行動させたいという思惑もあり、原作通りにベルをヘスティアに紹介したのだ。
「さて、それでは神ヘスティアよ。ベルに関してだが、卿に一つ提案がある。」
「僕にかい?」
「ああ。ベルのダンジョン探索と修練、我々に任せてみないかね?」
「ええ――!?」
ヘスティアが予想外の提案に驚きの声を上げた。ベルはいまいち状況が分かっていないのか、ヘスティアとラインハルトの顔を交互に眺めている。
「ベルくんを紹介して貰ったのにそこまでしてくれるのは迷惑じゃないかい?」
「そこに関しては問題は無い。それに
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