暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第27話「姉妹対決×2」
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  迫りくる鞭の気配を、荒波のように私は感じ取ります。
  それを、大鎌形態(スライサーフォーム)に変えたバルフィニカスで全て薙ぎ払います。
  “心に水を宿す”。...桜さん達のような本来の使い方はできませんが、限定的な事であるならば、その鞭の攻撃を全て薙ぎ払う程度、造作もありません!

「なっ...!」

「はぁぁあっ!!」

  鞭が切り払われ、動揺した所を一気に接近し、バルフィニカスで切り裂きます。
  ...ただ、エネルギー効率も考え、元の形態に戻していますが。

「っ...調子に乗るんじゃないわよ!!」

「っ...!」

  先程と違い、苛烈な鞭の攻撃が私に襲い掛かります。
  金色の、鱗粉のような物をまき散らしながら鞭を振う姉様。
  “水”の動きが出来ればあっさり躱せますが、今の私では...!

「くっ...!」

「あははは!!ほらほら!」

  バルフィニカスでいくらか切り裂きますが、凌ぎきれずに当たってしまいます。
  ただでさえ、この機体はSEを使う武装ばかりなので、いくらSEが多めでもこのままでは不利になるだけです...!

「(距離を...!そのためにも...!)」

  もう一度大鎌形態に変え、エネルギーの刃を飛ばして炸裂させます。
  それにより生じた煙幕に隠れ、私は姉様との間合いを大きく離します。

「...ルシフェリオン...!」

  その間にルシフェリオンを展開し、いつでも使えるようにします。

「(...バルフィニカスと違って、ルシフェリオンもエルシニアクロイツもエネルギーを使わないと大したダメージがありません。...ですから、ここからは無駄遣いと被弾は避けませんと...!)」

  煙幕を注視し、そこから現れる鞭を認識します。

「っ!」

  横から薙ぎ払われる攻撃を、私は体を横に倒すような動きで躱します。
  続いて縦に振るわれた攻撃も、そのまま回転するような軌道で鞭を躱します。

「(ここからは攻撃を相殺する事は難しい。だから、回避だけで隙を見つけます!)」

  斧のような効果も果たすバルフィニカスと違い、ルシフェリオンは杖です。
  桜さんならバルフィニカスと大差ない攻撃ができるでしょうけど、私には無理です。
  なので、ルシフェリオンで防ぐのはいざという時だけにしておき、回避に集中します。

「(...姉様の鞭の動きは大体わかりました。後は...。)」

  先程までの舞うような動きと違い、今の動きは非常に読みやすいものでした。
  激しさはこちらの方が上ですが、その分読みやすかったみたいです。
  なので、鞭を回避し、間合いを十分に取った所で...。

「パイロシューター!」


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