機動戦艦ナデシコ
1351話
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美人……いや、どちらかと言えば庇護欲を刺激するような可愛らしいと表現すべき女に、声を掛ける。
「悪いが、アカツキに会いたいんだけど」
「は? えっと、その……どこの課に所属するアカツキでしょうか?」
「ここの会長のアカツキ・ナガレだ」
会長の名前が出た事に驚いたのだろう。その受付嬢は唖然とした表情を俺へと向けていた。
いや、その受付嬢だけではない。カウンターに座っている他の受付嬢達も同様であり、それどころか周囲を通り過ぎようとしたネルガルの社員、またはネルガルを尋ねてきたのだろう会社員達も同様に俺の方を見ている。
「な、なぁ。あの男……今、アカツキ会長に取り次げとか言ってたんだけど。俺の聞き間違いか?」
「いや、俺も聞いた。大体、見てみろよ。受付嬢達も唖然とした顔をしてるぞ」
「……どこかの大物か?」
そんな風に周囲の声が聞こえてくるが、そんな中で受付嬢は再起動する事に成功する。
「えっと、その……アカツキ会長に、ですか? お約束の方は……」
「いや、約束はしていない」
そう告げるや否や、近くにいる者達はあからさまにこっちを侮蔑した視線を向けてきた。
いや、それどころか警備員に向かっている奴すらいる。
……まぁ、その気持ちは分からないではない。
俺が何も知らないネルガルの社員であっても、いきなりアポもなしに会長と会わせろと言うような奴が出てくれば警備員を呼びに行くだろうし。
ちなみに、このネルガルの社員とのやり取りを見てれば分かるのだが、ナデシコ世界でシャドウミラーの存在が広まっていても、珍しく俺の顔は公表されていない。
公表されているのは、シャドウミラーの政治班担当でもあるエザリアだ。
そっちの方が受けがいいってのは分かるが……
「申し訳ありませんが、お約束がないのであればアカツキ会長とお会いする事は出来ません」
「アクセル・アルマーが来た。そう言って貰えば分かると思う」
「ですから、お約束のない人とは……」
「取りあえず、上の奴に聞いてみるといい。アクセル・アルマーがアカツキに会いに来たって。それで駄目なら、俺もこれ以上は何も言わないで帰るから」
その言葉に、これ以上何を言っても絶対に俺が自分の言葉を曲げないと判断したのだろう。受付嬢は溜息を吐きながら手元の電話へと手を伸ばす。
「おいおい、あいつまだ諦めきれてないみたいだぜ? 大人しく諦めて帰れば、これ以上恥を掻かなくて済むってのによ」
「放っておけ。アポの存在も知らない奴なんだから」
「けど、ちょっと見てみたくないか? ああまで自信満々なのが、結局何も出来ないままで帰るってのは」
知り合い同士で、周囲に聞こえないように小声で話しているのだろうが、残念ながらというか、不幸ながらと
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