突破口
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!」
「んん・・・」
しばらくすると、ようやくシリルが目を覚まし、ゆっくりと目を開ける。彼の目に最初に飛び込んできたのは、普段は結ばれている前髪を下ろしているミラの顔だった。
「ミラさん?ここは?」
「わからないわ。ただ、もしかしたら・・・」
眠らされてここまで連れてこられたため、現在地を把握しきれていないミラとシリル。しかし、おおよそ推測することはできる。ここがもしかしたら、冥府の門の本拠地なのではないかと。
「・・・ん?」
シリルを抱えたまま周囲を見回していたミラ。しかし、彼女の腕の中にいる少年は、あることに気付いていた。
「ちょっ!?」
それは、自分が全裸であること。そして、目の前の女性も自分と同じ格好であること。
「あう!!」
彼女に見られたのではないかという恥ずかしさと、彼女の全身を見てしまったことから顔を赤らめミラに体を密着させるシリル。その行動は、相手の体を見ないことと、自分の体を見せないようにするための対策だったのだが、ミラは気付いていない。
「どうしたの?シリル」
不思議なものを見る目で自分にくっついているシリルを見ているミラ。天然の彼女が気付くことはないと悟ったシリルは、ストレートにこう言った。
「ミラさん・・・服、探しませんか?」
「あら?そうね」
ようやく自分と相手が一糸纏わぬ姿だと理解したミラ。二人の妖精は、体を隠すために服の代わりになるものを探し始める。しかし、この時彼らは気付いていなかった。シリルの体に薄くも確かに刻まれた、悪魔の印に・・・
ウェンディside
「うじゃうじゃと・・・邪魔だっての!!」
迫ってくる複数の兵を一瞬で凍らせるグレイさん。彼の後ろから、別の兵が斬りかかろうと飛びかかります。
「グレイ様の背後から・・・抱き付こうとするなんて!!」
「・・・」
その兵は勘違いしたジュビアさんに一蹴されていました。戦いの最中に敵に抱きつく人なんて、いないと思いますよ?
「うがあああああ!!」
ガジルさん目掛けて鉄の棒を降り下ろす悪魔。ですが、それは彼の硬い腕に防がれ、変形してしまいました。
「ギヒッ」
彼はニヤッと笑うと、相手の武器を掴みそれを食べ始めます。
「まじぃ・・・」
鉄の味がお気に召さなかったガジルさんはその棒を投げ捨てると、頬を大きく膨らませ、魔力を集めていきます。
「鉄竜の・・・咆哮!!」
「「「「「うわあああああああ!!」」」」」
彼のブレスを受けて吹き飛んでいく冥府の門のメンバー。ガジルさんは周囲にいる敵にガンを飛ばしなが
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