【ヒロアカ】ミライセレクト
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の海岸清掃トレーニングが行われている粗大ごみ海岸の場所を特定した。今の時期ならデクくんはおそらく凄まじいハードワークを行っている筈だし、運が良ければオールマイトのサインが貰えるかもしれない。そう思った俺は、休みの日を利用して海岸に行き、さりげなーく走り込みをしているデクくんとすれ違った。
瞬間、俺の『個性』――未来視が彼のとんでもない未来を映し出した。
砕けるプロテクター、裂ける繊維。深く切り裂かれた肉から噴き出る致死量の鮮血。
驚愕に目を見開き、吐血で全身を真っ赤に染めるヒーロー風のその青年は、鮮やかな緑髪。
それは――「緑谷出久」の死だった。
のんきに物見遊山を決め込もうとしていた俺の脳に、この未来はメガトン級の威力で響いた。
具体的な内容はまるで分からない。ぼんやりしたイメージからして、そのデクくんのヒーロースーツはデクママ特製の一号とも改修された2号とも違った形をしていた気がするので、かなり未来のことだとは思うが……それでも恐らく今までに見てきた未来から逆算した経験則からして3年以内くらいにそれは起こると確信した。
未来視で見た未来には、ある程度の決定力が発生する。
何かのきっかけで変化させることはできるが、きっかけを自分で作らなければ未来は覆らない。
つまりこの瞬間、俺が何も選択しなければデクくんが死んでしまうことが確定してしまった。
遠ざかっていくデクくんの背中を呆然と見つめ、それが見えなくなってから俺は口元を抑えてうめいた。軽はずみな行動が、最悪の未来を知るきっかけになってしまった。決定的に俺は彼と関わってしまったのだ。
「やるしか、ない……よな?」
そこからの俺の決断は早かった、と思う。
――俺が未来を変えるしかない!!
俺はすぐさま実家に戻って進路を雄英高校ヒーロー科一本に絞った。デクくんの未来を変える為に一番都合がいいのは、彼と同じ雄英高校ヒーロー科のA組にいることだ。割とヴィランに襲われまくるおっかないクラスだが、俺としてはそれを気にする余裕はなかった。
デクくんはオールマイトの力を受け継いでこれからのヒーロー界を牽引していくであろう、俺にとっての希望の象徴。それが死んだら………恐らくこの世界で最後に笑うのは 死柄木弔――どす黒く純粋な悪意の塊だ。そうなったらもう俺の暮らす日本は滅茶苦茶になってしまう。
今になって思えば、あの夢はまさに「俺にとって最大の危険」となる予知だったんだろう。デクくんが死んじゃったらこの「ヒロアカ」の世界は終了したも同然だ。俺は、自分の為にもみんなの為にも、ヒーローにならざるを得なかった。
幸
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