暁 〜小説投稿サイト〜
龍が如く‐未来想う者たち‐
冴島 大河
第三章 内部崩壊
Side story 東城会 Yを持つ2人
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「宮藤も負けたらしいやないか」
「そうみたいですね……」
「もう宮藤くんは、使えませんね」


ニコニコ笑っていた湯川の顔が、突然不気味に怪しく微笑む。
怒りにも笑顔にも思えない、理解し難い顔。
だから足立は、湯川だけは絶対に逆らわないと誓っていた。


「如何致しますか?」


話を振られた屋良は、思わず湯川の方を見る。
案を出せと促すその目に、聞こえるか聞こえないか程の溜息を漏らした。


「そろそろ、頃合いなのかもしれませんね……」
「じ、じゃあ……」


足立は生唾を呑み込み、言葉を待つ。
目を伏せて微笑む湯川の、次の言葉を。


「堂島大吾、暗殺計画。始動させます」


黙っていた屋良が、ブルッと身震いする。
口を開けっ放しの足立もまた、興奮のあまり震えていた。
堂島大吾は、殺してでも蹴落とす。
そして空いた7代目の座に……。

間違っても、ただの殺しではない。
自分たち自身に火の粉がかからぬよう、暗殺という計画を練っていた。
たった半年で持ち直した東城会を崩すため。
そしてそれを再び立て直し、崇拝される存在になるため。

東城会の未来を変えようとする2人のYが、今動き出す。
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