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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第526話】
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それよりも……」
倒れていた楯無さんに視線を向けた彼女につられて見ると意識が戻ったのかゆっくりと瞼が開いた。
「ん……ひる、と……くん……。 ……っぅ……」
腹部を抑える楯無さん、だが応急処置がされているのに気付くと……。
「君が……して、くれたの……?」
「……違います。 ……彼女が……」
正直、気が動転していた俺は何の役にも立たなかった、彼女が居なければ、適切な処置が出来ず、下手をしたら大量の血が流れて出血死していたかもしれない。
いくら戦う力があっても、こんなときに何も出来ないなんて……無力だ。
そう思っていたのだが、楯無さんは力なく俺の頬に手を添えた。
「……君が来てくれなかったら……お姉さん、今頃……連れ去られてたわ。 ……ヒルトくん……ありがと……ね?」
「…………ッ」
その言葉に、心が軽くなる思いだった――そして、また意識を失う楯無さん。
生体反応がある為、大丈夫だとは思うのだが――。
楯無さんを抱き抱えると――。
「……ありがとうございます。 ……今なら、見逃す事も出来ますよ……」
俺がそう告げると、小さく首を振る女性。
「いや、逃げない。 ……それに、作戦失敗した私には、もう国へ戻ることも出来ないだろう。 ……ならば、然るべき処置を、この学園の責任者にお願いしたい」
「……わかりました」
本当なら、見逃すというのは重罪だろう――だけど、彼女が居なければ俺は後悔していたかもしれない。
「……じゃあ、着いてきてください」
「うむ、君に従おう」
そう言うと、通路を駆け、一旦オペレーションルームへと向かった――その道中、またも俺を呼ぶ声が聞こえた。
――ヒルト……。
――お兄、ちゃん……。
聞き間違いじゃない、美冬を含めた七人の声が届く。
チャネル通信ではない――虫の報せというよりも、コア・ネットワークを通じて呼ぶような感じだった。
オペレーションルームへと続く階段を降り、パネル操作してドアを開くとそこには既に親父が戻っていて、織斑先生と山田先生、そして拘束された女性が居た。
「……隊長」
後ろに居た女性がそう呟く、もう一機居た方だろう。
よく見ると、織斑先生の唇の端に血を流した後が見えた。
「有坂、すまないが今すぐにお前の妹や飯山たちの救出に向かえ。 更識と後ろの女は私たちが請け負う」
「……!? 美冬や皆に何かあったのですか!?」
「説明は向こうに居る更識に聞け。 急げ!」
「わ、わかりました!!」
楯無さんや捕虜にした女性を残して
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