フェイス・・・起動
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うわけか」
「ば・・・はば・・・」
血が吹き出した理由は、キョウカが彼の体を貫いたためであった。心臓を一突きにされたクロフォードは、口からも血を吐き、床に崩れ落ちる。それと同時に、ギルドが大きく揺れた。
「あらららら?」
「すごい振動だ」
「冥界島も反応している。フェイスの封印が解かれた」
クロフォードの言葉は本当であった。確かにジェラールが持っていた鍵は彼の手に渡っていた。しかし、そのために彼は・・・仲間に裏切られ、切り捨てられたのであった。
「すごい反応だな」
「間違いありません!!フェイスの反応が解かれたのです!!」
凄まじい振動に立っていることもままならないキョウカと柱にしがみつき堪えているフランマルス。そんな中、ノーランはいち早く魔水晶ビジョンの前に行き、あることの確認を行っている。
「ノーラン、座標は?」
「出現予想地点からは程遠いな」
ノーランが確認していたこと。それは、フェイスが出現した地点を確認することだった。
「構わん。起動させろ」
「??なんだこりゃ」
キョウカの指示に従い、フェイスを起動させようとしたノーラン。しかし、彼は画面を操作しながら困惑の表情を浮かべる。
「どうしました?ノーラン様」
「これ、お前できる?」
「むむ?」
フランマルスとノーランが立ち位置を入れ換える。フランマルスが操作を開始した頃、冥界島の揺れが収まった。
「お!振動が収まりましたな」
「では今のうちに起動を」
落ち着きを取り戻した城内。その隙にフェイスを起動させようと試みるが、フランマルスは一つしかない目を細め、眉間にシワを寄せる。
「んん・・・ここからでは無理ですな」
「なんだと?」
「やっぱり・・・」
フランマルスの言葉がどういうことなのか、わからないキョウカはそちらに歩み寄る。その後ろにいるノーランは、自身が先程まで見ていた画面の文字を思い出し納得していた。
「いやいやいや、遠隔操作は不可能。フェイスは手動でしか起動できなくなっております。まぁ正確には、元議長様なら遠隔操作ができたのですがね。ゲヘヘヘヘヘ」
ここからフェイスを起動させる権限を持っているのは元議長のみ。しかし、その人物は封印を解くために殺してしまったため、冥府の門はそれを動かす権限を失ってしまったのである。
「此方としたことが・・・早まったか・・・仕方あるまい、誰かを向かわせるか」
「エゼル辺りに行かせるか?やらせろってうるさそうだしな」
「よし、ならばそう伝えてこい」
「オッケ」
駆け足でその場を去っていくノーラン。彼と入れ替わりで、制御室に一人の女性が入ってくる。
「また|妖精の尻尾
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