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本気で挑むダンジョン攻略記
Chapter T:to the beginning
第04話:そして始まりへ
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50万ヴァリス]ずつ所持して残りはルサルカの影に貯蓄(プール)されている。図らずも黒円卓のお財布事情を一手に引き受けてしまったルサルカである。

 ―― 閑話休題(それはさておき) ――

 現在、ラインハルト達が何処へ向かっているかというと、ダンジョンへ向かう前に出会った少女との約束を果たすためである。即ち――


「いらっしゃいませー!」


『豊饒の女主人』。ダンジョン遠征前に出会った少女、シルが働く酒場に食事に来たのだ。
 WWU(第二次世界大戦)時のドイツのような、騒がしくも何処か心地よい雰囲気。反応を見るにエレオノーレやリザ、ルサルカ達女性陣にはウケが良かったらしい。
 それと、ラインハルト達が店に入った瞬間に酒場の中の視線が一挙に集中していた。

「(ふむ...一見さんお断り...なわけでも無いか)」

 ラインハルト達は知ら無い。絶世の美男美女の集団が入った来たことと、彼らから自然と発せられる威圧感(プレッシャー)に注目が集まった事を。
 そして酒場の中の全員が注目したという事は、当然約束を交わしたシルも注目するという事で――

「あ、ラインハルトさん!来てくださったんですね!」

 ラインハルト達の姿を見つけたシルが彼らの元へ駆け寄って来る。どうやら彼女の方も約束は覚えていたらしい。

「ああ。6名だ。席はあるかね?」
「はい!お客様6名入りまーす!」

 シルが案内した席はカウンターから一番近いテーブル席だった。

「へえ、冒険者にしては良い男が揃ってるじゃないか。女性陣も別嬪さね。」
「ここの店主かね?」
「ああ、ミアってんだ。何でもを唸らせるほどの大食漢だそうじゃないか!じゃんじゃん料理出すから、じゃんじゃん食いな!」

 ちょっと待て。話が違う。
 シルの方を見ると、舌を出していた。これで絵になるのだから美少女は得である。
 仕方がない。

「卿らはどの程度までいけるかね?」
「少なくとも常人の10倍くらいは」
「同じく」
「私はちょっと少なめですね」
「僕はもうちょい上で」
「俺は20くらいは余裕でさあ」

 暗に満腹までどれくらい食えるかを聞くと、エレオノーレが10人前、ルサルカが同じく10人前、リザはそれより少な目でシュライバーとベイはもっといける、と答えた。
 メニュー表を見てもどういう料理か分から無い奴もあるし、その量を一々頼むのも面倒だ。メニュー表の金額的に考えて...

「ミア殿。50万で好きに作ってくれ。」

 ウエイトレスを介さずにミアに向けて直接オーダーをする。
 酒場の中がどよめき、ミアも此方を呆然と見てくる。
 50万ヴァリス。節制すれば一人が一年近く暮らせる金額だ。だが、ラインハルト達からすれば端金で
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