第38話 尾行
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て来れるから」
「わたくし保釈金を用意して待っていますわ!」
御坂と湾内が面倒くさそうに頭を掻いているサソリに声を掛けた。
「保釈金はまだ要らないんじゃない?」
「御坂さん!どのくらい用意すれば良いんですの?」
「ごめん、分からないわ」
湾内が真剣な顔で御坂に質問した。
鬼気迫るというか必死というか......
「サソリ元気出しなよ。なんならあたし達も協力するし」
ポンポンと座っているサソリの頭を叩く佐天。
「?」
サソリは何か違和感を感じて、佐天の顔をジッと見つめた。
「?どうしたの?」
「いや」
やはり、コイツの雰囲気が変わったな
昔にコイツと同じような奴と会ったような気がする
誰だったかな?
******
「しっかしまぁ、サソリも災難ね。良いことしたのに」
まあ、かく言うあたしもレベルアッパー事件解決に尽力したけど、門限破りの罰でプール掃除を命じられたしね
どうも正義って報われないことが多いわ
この世の不条理さを嘆き節で呟きながら歩いて帰路へと向かう御坂。
黒子達はサソリの手続きをしに行って、湾内さんも付いていっちゃったし
病院から今度は拘置所か......なかなかの波瀾万丈な人生ね
腕を組みながら通りを御坂が歩いていると、路地裏から数人の男性の話声が聴こえてきた。
「ホントだって。ションベンしようと路地入ったら、女が例の封筒を置いてんのが見えてさ。後を尾けたんだよ」
例の封筒?
あのマネーカードの入った封筒の事かしら?
御坂はポケットに無造作に突っ込んでいた封筒を取り出した。
「雑居ビルみてーなトコに入ってったから、そこがアジトだぜ。外から見た感じ居んのは女一人だけっぽいから楽勝だろ」
これってヤバイんじゃない?
あの男たちは完全に悪い事をしようと企んでいるわ
移動して行く不良グループの後を御坂は後ろから密かに付いていった。
時刻は夜の六時を回った辺りだ。薄暗くなる中でビルの電灯が煌々と点いている。
雑居ビルの中には、壊れた木箱や机の破片などが床や散乱してあり、ボロボロの棚が置いてある。
おそらく、何処かの会社のオフィスだったのだろう。
「ハーイ、お邪魔しますよー。大人しくしてくれりゃ、乱暴しねーからよぉ。ウチのリーダーは女子供に手出すの禁止してっからな」
階段を上がり、最上段の部屋まで不良グループが来ると、鞄を閉じている白衣の女性が立っていた。
女性は黒髪の癖っ毛にギョロっとした目つきをしていた。
「何か用かしら?」
「オマエがバラまいている例のカード。オレ達がもらってやろうかと思ってさ。どうせ捨てんだろ?」
ヒゲを生やした男がギョロ目の女性に近づいた。
女性がカチッと鞄を開けるのを見ると、パーカーを着た男が鞄を取り上げる
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