第44話
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私が直接行く!」
これ以上、話をややこしくされてたまるか!
「まさか白蓮自ら使者として来るとはな。仮想敵国だというのに大胆な事だ」
「ははは……」
数週間後、袁紹の下に白蓮が使者として訪れた。
余程疲れたのだろう。昨日はよく眠れなかったのか目に隈ができている。
「さて、こうして訪れたと言う事は返事を聞かせてくれるのだろう?」
「……ああ」
謁見の間には弛緩した空気が流れていた。それもそのはず。
宣戦布告する国に太守自ら訪れるはずが無い。公孫賛が現れたのは併合を受け入れる為。
こうして誠意を見せることで少しでも待遇を良くしたいのだろう……と、袁陽の皆は考えていた。
「私は同盟を結びに来た」
故に、彼女の口から出だ言葉に呆気に取られた、
しばらく唖然としていたが、いち早く意識を取り戻した袁紹が目を細める。
「それで、同盟に対して我が国に何の利がある?」
「ただの同盟じゃない。〜〜〜だ」
「?」
「婚姻同盟だ!」
半ばやけくそ気味に叫ばれ激震が走る。特に、袁紹の周りに居た女性陣の受けた衝撃は――
「なるほど、考えたな。それなら確かに我が国に利がある」
この婚姻同盟が成功すれば、両者の間に出来た子を幽州の太守に据え、自然と併合出来る。
無血で幽州が手に入るばかりか、両陣営の間に蟠りも生まれない。
袁紹としても独り身のままなのは体裁が悪く、ここらで身を固めるのも良い。
そして何より――
「相手は白蓮か。我が伴侶としても申し分ない」
「ななな、何言ってんだよ!」
勢いでここまできた白蓮であったが、ここまで好感触に捕らえられるとは思ってもおらず、目を白黒させていた。
「―――と、言いたいところだか困ったな」
「な、何だよ……やっぱり―――」
私じゃ駄目なのか?
「我は白蓮を武将として登用したかったのだ」
「へ? 私をか??」
「うむ、新設する部隊の指揮を任せたくてな」
妻となれば戦場に連れて行くわけには行かない。前線に出すなど夢のまた夢である。
袁紹が難儀していると、白蓮の中に天啓がひらめいた。
「だったらさ、婚約って形でどうだ? 保留なら私も武将として動けるし、同盟にも支障は無いはずだ」
「我としても助かる提案だが……良いのか?」
「ああ、私としても心が決まっていたわけじゃないし。なにより――」
不安そうに静観している女性陣に目を向ける。
「こんな形で、横から奪うような真似はしたくないからな!」
伴侶となるなら正式に、周りの者達にも認められる形で結ばれたい。
……睡蓮は甘いとか言いそうだけど
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