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恋姫†袁紹♂伝
第44話
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慣れで右往左往していた白蓮を助けてくれたのは彼らだ。
 異民族の襲来、黄巾の乱、反董卓連合軍の時だって常に力を尽くしてくれた。
 
 袁陽の人材に比べ劣っているなどと思ったことは―――一度も無い!

「何か皆、難しく考えすぎじゃな〜い?」

「睡蓮……?」

 重苦しい空気の中。沈黙(居眠り)していた公孫越(こうそんえつ)、真名を睡蓮(すいれん)と呼ぶ白蓮の従妹が声を上げた。

「利が無いなら作ればいいじゃ〜ん。お姉ちゃんの頭でっかち!」

「誰か頭でっか――……。ちょっと待て、作れるのか!?」

 白蓮の言及に従妹は微笑む。普段はやる気が無く、居眠りの常習犯である彼女がやる気を出すとは……。
 従姉としてその能力を見出し、教育してきた甲斐があった――などと感激している白蓮に、特大の爆弾が落とされた。

「お姉ちゃんの嫁入りで万事解決! 婚姻同盟だよ!!」

『おおおおーーーっっ!?』

「…………………………へ?」

 嫁入り? 誰が? 誰と? 何時(いつ)何秒何刻御輿が何回大陸を周った頃?

「袁紹殿は未だお一人。今なら間に合いますな!」

「公孫賛様とも仲が良い。試す価値は十分あるかと」

「美男美……女同士ですしな!」

「左様。大陸中が羨む、おしどり夫婦となろう」

 目を丸くしている白蓮を他所に、話が進められていく。

「ちょ、ちょちょちょちょっと待て! 待ってくれ!」

「何よも〜。今大事な話中だよお姉ちゃん」

「本人を無視して進めるなぁッッ!」

「大丈夫だって、こっちは任せて袁紹様との夫婦生活でも想像しててよ」

「ふ、夫婦生活?」

 不服だが、睡蓮の思惑通り思い描いてしまう。

 大国の君主、袁紹と婚姻となれば住居を移す必要があるだろう。
 
 南皮での自分は政務を手伝う事になる筈。袁紹の補佐として腕を奮い。
 時には私塾居た頃のように彼の暴走を止める。平時であれば食事や茶を楽しみ。
 稀に猪々子や斗詩達と鍛練に励む。

 なんだ、私塾居た頃とそんなに――……と、どこか安堵した所で場面が夜に変わる。

 寝室に二つの影、言うまでも無く袁紹と白蓮だ。
 夫婦になったからには子作りは大事な役目となる。言わば義務だ。
 では袁紹は義務的に白蓮を抱くだろうか? ありえない。
 初夜の緊張で震える白蓮を、彼はどこか手馴れた手つきで優しく―――……。

「うわあああああああああああ!!」

 思わず大声を上げながら立ち上がり、頭を掻き毟る。
 恥ずかしいやら嬉しいやら、今すぐ想像したものを消さなければ倒れてしまいそうだ。

「じゃ、膳は急げってことで使者を送るよ〜」

『おおーーっっ』

「待て待て、
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