第44話
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、幽州の兵が異民族に舐められるでしょう。
今まで消極的だった彼奴等が攻勢に出るかもしれん」
「袁陽に併合されれば、異民族の侵攻に対して兵を出してくれるのではないか」
「公孫賛様から聞いた袁紹の理想、満たされる世を実現させるためには大陸の統一が必要だ。
苛烈する乱世の戦いに兵を割くことは、袁陽としても避けたいだろう。
仮に兵を配備してもらえたとしても、それは精鋭では無く予備軍だろうな。
結局の所、異民族共に対処するのは我々幽州人だ。此処で舐められる訳にはいかん。
併合に甘んじるにしても武威を示さねば」
抗戦派の理を聞いて、興奮から立ち上がっていた者達が席に座る。
袁陽が大国であるがために、どこか異民族の侵攻を楽観視していた。
異民族との戦いに長けているのは幽州人だ。併合される事になったとしても迎撃は自分達がする事になるだろう。
その時、何もせず大国に頭を垂れたなどと思われたら――……。
幽州に力無しとして攻めて来る可能性が高い。今までに無い大軍でだ。
とはいえ、占領された所で袁陽がだまっているわけが無い。
彼らも大軍を持って異民族を撃破し退けるはず。問題は其処に至るまでの被害だ。
略奪の限りを尽くされ、幽州は見るも無残な姿に成り果てるだろう。
そんな事は幽州人として許せない。その為にも武威を示し、“白馬将軍”健在と恐れさせなければ――……。
「武威を示す……か。それが一番難しいなぁ」
袁陽の兵力は解っているだけでも三十万。勿論、全軍を動員してくるとは思えない。
しかしそれでも最低五万、万全を期すなら十万で侵攻してくるだろう。
それに対して白蓮の軍はどう見積もっても二万が限度。それ以上は鼻血も出ない。
加えて将兵の質も陽が上だ。顔良、文醜と言った二枚看板に始まり、人中の呂布。
攻守優れる趙雲。新加入した猛将、華雄。荀ケ、程立、陳宮、賈駆と言った軍師達。
兵はあの大炎を始め精鋭揃い。乱世に備えて黄巾前から鍛練が施され錬度が高い。
対して白蓮達は――……。お世辞にも袁陽の将に匹敵する英傑は居ない。
軍師を兼任する白蓮が唯一対抗出来る人物だが……。彼女一人には荷が重いだろう。
劉備達が居れば話が違ったが、彼女達とは洛陽以降、別行動をとっている。
兵の錬度で言えば幽州兵も遅れを取っている訳ではないが、それだけに人数差が重く圧し掛かる。自軍の利を挙げるとしたら地の利くらいだろう。
しかしその利点も、圧倒的な戦力差を前に押し潰される。
「申し訳ありません公孫賛様。我らが不甲斐無いばかりに……」
「馬鹿を言うな!」
無力さに苛まされ、顔を俯かせる重鎮達に白蓮の叱咤が飛ぶ。
私塾から戻ってきて太守となり、不
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