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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
外伝 漆黒の修羅(終)
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その慟哭に一瞬、何事かと周囲を忙しく駆けていた整備士たちの視線が集まった。しかし、激戦をくぐり抜けた衛士にはよくあることなので、じきに興味をなくし自分の作業へと戻る。
「――――甲斐、俺は雑魚だったんだ。技量ではない、心が純粋に弱かった!!守りたいモノも無かったのに戦場に立ったから無用な死を生み出してしまった!!!」
「……そんなことは無いと思うけど。」
「いや、俺は逃げていたんだ。守りたいと思えるものが何も見つけられなかったから諦めた。尤もらしい理由をつけて死に、戦いに逃げていたんだ!!!
アイツに誓う―――俺は、己はもう逃げない!!!」
生半可な気持ちで戦いに挑めば自分だけではなく、周囲を危険に巻き込んでしまう。これはその結果なのだ。
万事、因果応報。自らの行動の結果は自らに返ってくる―――それが嫌ならばもっと、もっと圧倒的な力と覚悟が必要だ。
ならば、先ずはアイツが気づかせてくれた弱さに立ち向かわねばならない。
「守りたいモノが見つからない、それが何だ。そうだ、何時の日か守りたいと思えるものを守れるように――――己はそう思って剣を執ったはずだ!」
初心を忘れていた。
そして、それこそアイツが愛してくれた柾 忠亮ではないのか!!
「……君は強いね。」
「
己
(
おれ
)
は強くなんぞない。―――たった一人の女さえ守れない。その無力の証明をまじまじと見せ付けられたんだ。
貴様の無様さに縊り殺したくなる、腸が煮えくり返るどころじゃない……!」
拳は固くなっていた。余りに強く握りしめていたために骨格が軋みをあげる。
強ければ生き、弱ければ死ぬ。弱肉強食、それがこの世の摂理。生き残りたければ、失いたくなければ強くなければならない。
分かっていたはずなのに―――甘かった。真剣さが足りなかった。
他人から見ていてどう、など関係ない。
結果を残せなかった、それが運命だとしたら己には運命を覆せるだけの力が無かったからだ。
―――ならば強くなればいい。運命すら打倒できる強さがあればいい。
「−――強さというのは単に力の強弱を示すものじゃないと僕は思う。たぶん、最初に気付けるかどうか、そしてその次に動けるかどうか。
そこで強者と弱者は分かれると思うよ、君は気付ける人間で、そして動く人間だ。……ならば、もっと強くなれるはずだ。」
「―――そうだといいな。」
真実の正義、それが何かは分からない。きっと一生分かることは無いのだろう。
だが、自分が正しいと思える闘いを行うに足る理由にきっといつの日か出会えるのだろう普段なら、こんなあやふやな希望に縋ることは無い。
だけど……彼女が最期に言ってくれた。何時の日か出会えると。
なら、俺はそれを信じ
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