暁 〜小説投稿サイト〜
Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
外伝 漆黒の修羅(終)
[2/10]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
た戦車級を折れた長刀で叩き落しながら忠亮は呟く。
無力を自覚しているが故の諦観に似た声色、しかしその言葉の裏には正反対に無限熱量の想いが秘められている。
「精々、命を舐め腐っていろ――――この
惑星
(
ほし
)
の命は、絶対に二の轍は踏まない!!」
命が同じ命を生むことなんぞ絶対にない。
生まれは死んでゆく命の繰り返し、だが―――それは決して同じではないのだ。
命は円環、その象徴たる遺伝子のように円環なのだ。
一つの輪を繰り返すごとに、僅か―――ほんの僅かでも前に進んでいるのだ。
故に、命は完全に同じ繰り返しはしない。
未来があれば―――人類は必ず不倶戴天の仇敵を絶滅させる、それが“生命でない”のなら尚更だ。
「――――ゆい」
眼前には無数の敵、敵、敵、敵――――数えるのも馬鹿らしい。
だが止まれない、止まれるわけがない。
俺を内側から突き動かす焦燥、全力を出し切れ。否、全力以上を出し切れと俺の中の俺ではない何かが強烈に語りかけてくる。
「お前は未だ、消えるべきじゃないんだ。―――消えてほしくないんだ。」
―――俺は無常こそを愛している。生滅の繰り返し、一見無意味なそれこそが愛おしいのだ。そこには確かに受け継がれてゆく何かがあると信じる。
……それを言葉にするのなら、こう呼ぶのだろう。
――――――――“魂”と
「お前には、俺の魂を抱いていてほしい………だから、絶対に死なせないッ!!!」
衝撃、砕け散る鋼鉄。そして爆散――――
『くっ……絶望的、というやつか。』
砕け散った白き瑞鶴の破片、先ほど要塞級の衝角を受けて大破した部下の鋼。すでに軍事における全滅という規模は超過している。
『しかし、ここで引くわけには往かぬな――――第三中隊からの連絡はまだか。』
『未だ連絡は来ません!……突入した国連軍とも連絡は付きません、やはり……』
『皆まで言うな、弁えている。』
伊上ゆいを含む第三中隊をこのトンネルに突入させてはや一時間、データリンクも機能していないこの戦場に居座り続けるのは並大抵のことではない。
『さて、分水嶺は見誤れぬが……判断する材料もない、困ったものだ!!』
山吹の瑞鶴が大地を踏みしめ、突撃砲を斉射し先ほど部下を討った要塞級に120mmを叩き込む。
展開した補給コンテナは残り三割以下、欠落機の少なさはもはや奇跡といって差支えがないレベルだ―――しかし、それも最早限界。
―――理想はトンネル内の部隊と前面に出ている部隊と合流しての一点突破。しかし、相当数の被害は免れ得ないだろう。
『―――犬死では終わらせるわけにはいかんな。』
「入口部
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ