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101番目の舶ィ語
第十六話。二人の魔女
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せてから殺す。我々にはその道しかない。
つまり、『ノストラダムスの大予言(アンゴルモア・プロフィット)』を倒すのは兄さんの方ではなく、理亜の方ってことだ」

「第ニの……可能性?」

その言葉には聞き覚えがあった。それはピラミディオン台場で警備任務に就いた時、パトラに襲われたアリアを助ける為に、動き出した俺の前に立ちはだかった、兄さんが告げた言葉。それが第ニの可能性。
『イ・ウーのリーダー、『教授(プロフェシオン)』こと、シャーロック・ホームズの暗殺』。
それを思い出す。

「なんだ? なんのことだ!」

キリカが言っていた。シャーロックは、あいつはこの世界に来てると。
もしかして……この件に、あいつが関わってるのか?

「……ああ、お前さん勘違いしてるな。この件にあの人達(・・・・)は関与してないぞ? 全くの無関係ってわけじゃないが、少なくとも敵じゃない。
私達に協力してくれる良いブレインになってるからな?」

「信用できるか! 少なくとも理亜を唆してそんな危険なロアと戦わせようとする奴の言うことなんか聞けない」

「お前さんの信用は必要としていないんだよ。少なくとも私はな。ただ、ウチのマスターは言いたいことがあるみたいだぜ?」

アリサのその言葉で、理亜の顔を見ると理亜の顔にはなんの感情も浮んでいなかった。

「はい、『ノストラダムス』との戦いに兄さんと、兄さんの物語達は必要ありません。なので、兄さん______」

そう言って、理亜はその台詞を再び口にした。

「私の物語になってください」

雪がしんしんと降り続く中。何故か、その言葉は悲しみに彩られているように聞こえた。
理亜の言葉に感情はこもってない。表情にもだ。
だが、だからこそ。
だからこそ、今の(・・)俺には解る。

「______絶対にお断りだ」

憑依してからだが、ずっと側で彼女を見てきた俺だからこそ、解る。
だから、ヒステリアモードの俺でも強い口調で理亜の言葉を否定出来た。

「兄さん?」

「絶対に嫌だね。理亜がそんなおっかないロアと戦わなきゃいけないってだけでも嫌なのに、その時、俺はのんきに過ごさなくちゃいけないなんてもっと嫌だ。理亜のお願いだから、本当は聞いてあげたいけど。それが『私の物語になって一緒に戦ってください』ならOKだけど。だが……そうじゃないのならお断りだよ!」

「そんな我儘を言わないでください。兄さんがあの戦いに参加したら、死んでしまうんです。私はアリサさんの能力によって、何十、何百ものパターンを繰り返して、兄さんが死なないようにイメージして、シュミレーションしました。でも、どうしても兄さんの死は回避出来なかったんです! 兄さんはご自身の物語と私を大事にする余り、確
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