第十四話。狽フ妹
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だから、結婚しよう?』
「イヤイヤ、何で結婚に行き着くのかよくわからん」
『もう、非合理的なんだからー。いい、血の繋がらない妹っていうのはね……』
それから五分くらい、かなめによる妹談義を受けた俺は、終わる頃には『妹と結婚するべきじゃないか?』なんて、考えるようになっていた。
今すぐ婚姻届を提出するべきなんじゃないか?
……いや、待てよ?
冷静になって考えると、かなめの理屈はおかしい事に気づいた。
危ねぇ。かなめの奴……実の兄に『教唆術』をかけたな。なんてもんをかけやがる。あやうく、襖の中から飛んできた(かなめが差し出してきたと思われる)婚姻届にサインするところだったぞ。
「よくわかったよ。かなめ」
『わかってくれた?? さすがお兄ちゃん』
『挙式はいつにする?』
『式はアメリカと日本で挙げようか?』
「お前の頭がおかしいことがよくわかった」
実の兄妹で結婚とかありえん。
そもそも、俺もお前もまだ未成年だろうが。未成年では両親の承諾が必要だから、するなら爺ちゃん、婆ちゃんの許可がいるし、あの爺ちゃんでもそんな許可出すとは思えん。
もし、かなめと結婚とかになっても駆け落ちになるぞ。
『駆け落ちかぁ。それっていいアイディアだよ、お兄ちゃん』
いかん。地雷踏んだか?
『私はお兄ちゃんと一緒なら、それでもいいよ』
『だから、今すぐ結婚しよう?』
ダメだ、コイツ。早くなんとかしないと……。
「なあ、かなめ。話し合おうぜ。
姿見せてくれよ?」
俺が一言言ったその時。
______ゾクリ。
背後で誰かに見られている、そんな視線を感じた。
バッ??
後ろを振り返ると、そこには押入れがあり。そのフスマが少し開いていた。
?
変だな。さっき見た時(婚姻届が飛んできた後は)フスマはきちんと閉じていたのに……?
気になった俺は押入れに近づいて、フスマに手をかける。
そして、ゆっくりとフスマを開こうと動かした……その時だった。
バチッと、胸ポケットとズボンのポケットに入れていたDフォンから火花が飛んだ。
熱い。急いで取り出すと、Dフォンは真っ赤に光り、発熱している。
これは、もしかして?
『あははっ! 残念〜あのまま開けてくれればお兄ちゃんはずっと私と一緒にいられたのに』
「お前は誰だ!」
かなめじゃない。声は確かにかなめだが。俺にはわかる。コイツは違う。別の何かだ。
『私はかなめだよ?』
『正確には遠山かなめが生み出した擬似人格だけどね。
第二、第三のかなめ。
お兄ちゃんも知ってる『スイッチ』が入ったかなめかな?』
『あっちの世界だと、私達は表に出にくいんだけど、この世界だと私達は個々の意識
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