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101番目の舶ィ語
第十四話。狽フ妹
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スキンシップしてやればこれかよ。
まあ、いい。スキンシップの時間は終わりだ。
こんな時間ない時に、何で抱きついてきたのか、そろそろ話してもらうぞ。

「なあ、かなめ……」

俺が言いかけたその時だった。______キィーン、という音がしたかと思うと俺の視界が、景色が、周囲が、一変した。
気付いた時には俺は畳がある和室に移動していた。
(な、何が起きたんだ?)
俺の視界に映るのは、6畳半くらいの和室部屋。
まるで巣鴨の実家に住む爺ちゃん、婆ちゃんの部屋みたいな造りだ。
目の前にあるのは如何にも和風っぽい(フスマ)がある押入れ。
右を向いても押入れ。左を向いても押入れ。
試しに後ろを向いたが、押入れしかない。
前後左右、どこを向いてもあるのは押入れと、足元に広がる畳だけだ。
天井には蛍光灯がついてるが、カバーはなく。裸電球のままだ。
(この感じ……まさか??)

俺がその可能性に気付いたその時。
どこからか、声が聞こえてきた。

『あははっ! お兄ちゃん』

『約束、覚えてる?』

『スリーアウトは……チェンジ、だよ?』

どこからか、聞こえてくるその声の主に俺は聞き覚えがありまくる。そして、彼女が作り出したこの空間は彼女の『ロアの世界』というのも解る。
しかし、何で彼女がわざわざこんな空間に招いてやってるのかは、理解できない。
直後言った方が早いからな。

「一体、何のことだ……かなめ?」

『お兄ちゃん、今朝、六実鳴央と夢の中でイチャイチャしてた!』

『それだけじゃない! 昼間は一之江瑞江とラブラブデートしてた!』

『夜には、仁藤キリカと一緒に大人のイケナイ施設に入っていった!』

「……見てたのかよ」

夢の中で浸入してきたの、やっぱお前かよ!
というか、一之江やキリカとのあれやこれやも見てたんですか。かなめさん??
俺のプライバシーとか、人権どこいった?

『お兄ちゃん、約束したよね?』

『私、以外の女とは口も聞かず。私以外愛さない、結婚してくれるって』

『お兄ちゃんが今日だけで接触した女子は……六実鳴央。一之江瑞江。仁藤キリカ……はい、スリーアウト! スリーアウトはチェンジだ!』

「いや、待て待て待て! 『人を傷つけるな』と約束したのは事実だが、勝手に約束の内容捏造するのはやめろ!」

何さらっと、結婚とか付け加えてんだ??
血が繋がった妹と結婚とか……拳銃自殺もんだろ!

『血の繋がりなんて……些細な問題だよ?』

「根本的な問題だろ?? それと自然に心読むな!」

なんなの、ロアには心読む能力とかデフォルトで装備されてんの?

『違うよ、お兄ちゃんだからだよ』

『愛の成せる技。妹愛だよ』


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