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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第522話】
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 学園の通路――朝から一夏は倉持技研へと白式のメンテナンスの為不在。

 一夏に倉持行かないかと誘われたのだが行く理由も無ければ俺は倉持技研の人間に下手したら解剖されていたかもしれない所に行く気には到底なれなかった。

 無論この事は誰にも告げてない、告げる気もない。


「何難しい顔してんのよ、ヒルト?」

「あ、いや……何でもないさ、これがな」


 前を歩く鈴音は頭の後ろで手を組んで後ろ向きに歩きながら紙パックのジュースを飲んでいた。

 量が少ないタイプだからストローだけでも支えられるのだろう。


「何か悩みがあるなら言ってね、ヒルト」

「ん、わかった」


 俺の隣で覗き込むように見上げてくるシャルに頷く――ここ最近、ISが無事な一人と制限された二人の三人体勢での行動が義務付けられていた。

 今日は一夏が居ないので未来が楯無さんに着いてガードをする形で残り二人の妹達は各々二人をガードしている。


「まあ悩みって言ったらあたしたちよね。 当分ISが使えないっていう状態がねぇ。 一応、パーソナルロックモードにしてあるから、盗まれないし、盗まれても使えないけど……」


 そう言って鈴音は自分の腕の待機形態である『甲龍』を見た。

 リングブレス状になっているそれは現在ロックされていて、薄さが一ミリ以下の皮膜状態で腕に張り付いていた。


「問題は、この状態だと操縦者緊急保護がいつもより遅い事よね」

「うん。 ……でもさ、その為にヒルトが居るんだし、僕達には」


 そう言って腕に抱き着くシャル――それを見た鈴音は。


「あーっ!! シャルロット! あんた何どさくさ紛れにヒルトに抱きついてんのよ!」

「え? なら鈴も抱き着いたらいいんじゃないかな。 ね、ヒルト?」


 返答に困るようなシャルの問い――だが鈴音はというと。


「それは良いわね。 フフンッ、アタシに抱きつかれるの嬉しいでしょ、ヒルト」


 そう言って反対側に抱きつく鈴音――正直歩きにくいのだが、守るには悪くないと思う。

 二人は確かに訓練を受けているがやはり女の子だ。

 可能ならそういった事はさせたくない――例え女尊男卑な世界でも。


「まあ、何かあっても少なくとも四機は動かせる人間が居るからな」

「ふふっ、そのなかでも……僕はヒルトに一番期待してるからね」

「あ、アタシは……き、期待しなくもないからね、ヒルト」

「どっちなんだよ、鈴音」


 そんなやり取りを続ける中、突然廊下の灯りが一斉に消える。

 身構える俺――更に教室、電子掲示板や案内等全てが消えた。

 窓から差し込む日光である程度の明るさは保っている
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