Side Story
少女怪盗と仮面の神父 17
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それでは、また。
そう言って別れた神父の背中が暗闇に溶けて消えるまで、ミートリッテはただ黙って見送った。
が、頭の中では初めて会った日の夜に彼から聞いた言葉が再生されて、疑問符が盛大に乱れ飛んでいる。
『貴女は愛されている。応えようとする気持ちも見受けられます。しかし、本当の意味では受け止め切れていない』
礼拝堂で目を覚まして大騒ぎしてしまった後、神父は確かにそう言った。
そして、今も。
ミートリッテは村の人達を信じていると答えたのに、本当にそうであれば良いと願われてしまった。
(アーレスト神父は……私がみんなを信じてないと、本気で思ってる？ どうして？)
アーレストには、自分の事など殆ど話してない。多少特殊な状況で拾われて育った経緯も、当然知らない筈だ。少なくとも、あの時点では。
客観的に見て、何の変哲もない一般民と、悪人の世話までしてしまうような温厚な人達とで、距離を置く理由が何処にあると言うのか。
(私、寝惚けてた時に何か言っちゃった？ でも、ハウィスだと思ってる相手に変な事は口走らないと思うんだけどな……)
ミートリッテは村の人達が大好きだ。
アーレストの所為で女衆には恐怖を感じたり、苦手意識を芽生えさせたり、ドン引きまでしてしまったが。決して嫌いになったりはしない。そんなに簡単に嫌えるなら、怪盗なんて悪行はとっくの昔に辞めている。
たくさんの温もりをくれた大好きな恩人達だからこそ、彼らの力になりたいのだ。その関係性と気持ちに信頼が無いと思われているのは何故だろう？
それに
『この子は何も見てない。何も気付いてない』
マーシャルに冷たい声で告げられた言葉までもが耳の奥で反響し続け、疑問符を増やしていく。
(あれは本当に、私が神父をどうこうな話だったの？ 忠告っていうか、責められてる気がしたんだけど……)
現場に戻る直前まで、先日の視線の怪しさに気付かなかった。人影が無いからと、重要な異変をあっさり見過ごしてしまった自らの愚鈍さに重なる響き。恋話ではどうしても納得できない苦々しさが込み上げる。
(違う……この思いはシャムロックの範疇だ。初対面のマーシャルさんが指摘できるものじゃない。自分で勝手に重ねただけ。性懲りも無く自責してるんだ。その思考自体が時間の無駄なのに……)
また混乱してきてるなぁと、呆れた吐息混じりに家を見上げて……硬直した。
家から、光が、漏れてる。
(なんで！？ ハウィスの出勤時間はもう過ぎてるのに！)
出入りする客の姿は無かったし、こんな日に収益が見込めるとは思えないが、酒場は普通に開店していた。今の家は無人でなければおかしい。
瞬時に思い至ったのは、甘い匂いでミートリッテを眠らせた昨日の侵入者。
考えてみれば、あの侵入者と遭遇した
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