暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
Side Story
少女怪盗と仮面の神父 17
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け負った。
 「はいこれ。デザートよ」
 「で、デザート……ッ!?」
 全部を片付けた所でハウィスが差し出したのは、手のひらに乗っかる大きさの透明な器に入ったオレンジゼリー。
 信じられない思いで受け取ると、果実の瑞々しい色合いがぷるぷる揺れて唾液を誘った。
 「作ったの? これ?」
 デザートなんて、二人にとってはそうそうお目に掛かれない嗜好品。
 じぃっと見つめるミートリッテに、ハウィスはまたも苦笑い、早く食べなさいと匙を渡した。
 「ありがとうー!」
 「どういたしまして」
 きちんと椅子に座り直し、ちょっとずつ、しっかり味わう。
 皮も使っているのか、甘いだけじゃなくほんのり苦味もあって、果実の良さが前面に表れている。大人向けの味だ。これは美味しい。
 そうして全部を食べ終わり……突然、鼻を抜けた香りが気になった。
 甘い……甘い香り。
 「ハウィス……? こ、れ……」
 昨夜ミートリッテを眠らせた、あの匂いだった。


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