■■SAO編 主人公:マルバ■■
二人は出会い、そして◆蘇生
第十八話 思い出の……
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。僕はかつてその目から逃げ出した。そのことを心の奥深くでずっと後悔していたんだろうね。だから同じ目をした君を放っておくことができなかったんだ。」
マルバは耐えかねたようにシリカから視線を外し、謝った。
「ごめんね、僕はきっと君に妹を重ねていたんだ。君を助けることで妹を助けた気になっていたのかもしれない。」
「……許しません。」
「……え……?」
予想外の言葉はマルバの視線をシリカに戻させる。
「マルバさん。現実世界に戻ったら、妹さんを紹介していただけませんか。事故なんてなかったみたいに仲良くしているところを、私に見せてくれませんか。そうしたら……許してあげますから。」
「……約束するよ。きっと、君に会わせてみせる。」
ふたりともがいつの間にか座り込んで見つめ合っていたことに今更ながら気づいたシリカは、会話が途切れると同時に気恥ずかしくなり慌てて立ち上がった。
「さ、さあ、今はピナを生き返らせることが最優先です!行きましょ、ほら。」
「う、うん……」
マルバは立ち上がると、ポンとシリカの頭に手をおいて、礼を言った。
「ありがとう、シリカ。君のおかげで目標がはっきりした。」
シリカは照れながら、自分の頭におかれたマルバの手を両手でつつみ、言った。
「わたしなんかがマルバさんのお役に立てたなら光栄です、ほんと。わたしが誰かの支えになれるなんて滅多にないですから。むしろこちらからお礼を言わせてください。ありがとうございます、マルバさん。」
マルバはシリカの頭をちょっと撫でてから答えた。
「君は僕に大切なことを思い出させてくれたよ。おかげで僕はこれからも頑張れる。……さあ、行こうか。君に借りを返さなきゃ。うーん、ピナを生き還らせるだけじゃこの借りは返せそうにないな。街に戻るまでになにか一つ考えといてよ。なんでも一つ、僕にできることならやってあげるから。」
「それは楽しみです!考えておきますね。行きましょうか。この剣も試してみたいですし。」
二人の足取りは軽い。小川にかかる石造りの橋が二人の足音を響かせた。丘はもうすぐそこだ。
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