一章
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徴な格好。ほう?なんの偶然か……それとも俺をおってきたのか?つーことは俺のスリに気づいたってことか
…………へぇ?
「奇遇だな、リオ・ アカツキ」
俺はスタスタと人が離れてできた輪のもとへ進んだ。小声で呼んだつもりだったが、女はばっとこちらを振り向いて迷うことなく前進
「お、……おまえ!!」
「そんな目くじらたててどうした?祭りを楽しんでるようには見えねぇけど?」
「………………必要なものを、無くしたんだ」
「へぇ……少し歩くか。人が少ないところの方がいいだろ?」
……ククク。それにしても、無くした、ねぇ
的確な言い方だな
「それでさがしてんのか?」
「見つからないだけで、無くなってはないはずだから……取り戻そうともがいてるところだよ」
「盗られたのか?」
「さぁ……手元から無くなっているのは確か。なにか心当たりでもある?ルーエンさん?」
………ククク。ほんとに面白い
墜ち人っつーのはこういう生き物なのか?
「何で必要なんだよ」
「試験。アレの受験者なんだよ、私」
アレ……
アレねぇ
空のアレか……
「墜ち人が飛空挺!?」
「なんか問題ある?」
……いや、ねぇ。墜ち人に参加資格がないとは一言も書かれてらない。それは確かにねぇけど、よくもまぁここまでこれたもんだ。素直に感心する
「そんなにアレがほしいかよ」
飛び回る五月蝿い蝿が
俺にとって飛空挺なんざ敵でしかねぇからな。現在のところ
「……必要なんだ。許可証。もらえないなら賊になるしかない」
欲しいのは空、か
まぁさすがに飛空挺がほしくても、軍人にはなりたくねぇわな。
「目的でもあんのか」
「ある。そのために出てきた」
女は空を見上げ、ため息混じりにいった
「あの監獄を消す」
「…………あ?」
意味わからねぇ
せっかくでれた地獄をわざわざ危険おかして消しにいくってのか?ひとつの罪も犯すわけにはいかない立場がすることじゃねぇ
「…………あそこは地獄だったけど、あれが私の日常で普通だった。出れたのは……ただ、運が良かっただけで、私は助けてもらってばかりだった」
「で?運の悪い次のだれかさんのために壊したいと?」
「まさか。他人なんてどうでもいい。私は助けてくれたあいつらに監獄の廃墟っていう墓をたててやりたいだけ」
………………ククク
なんとまぁ勝手なやつ
厳しい環境で生きてきたらしいな
他人を気にする余裕もないってか
「……しまった。こんなこと話したら殺されるね」
「そういう人間にみえるか?俺は」
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