第三十二話 改革の反動
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る準備を進めていたが王宮からの使者がやって来た為、仕方なく謁見の間に向かい入れた。
「国王陛下より今日、王宮にて起こった事件の仔細を説明するように命令を受けております」
「うん」
「今日、王宮にてリッシュモンとその派閥の貴族達が王宮にて……」
マザリーニは王宮でリッシュモンが起こした事件を説明した。
ザワ……と謁見の間は、にわかに熱気に包まれた。
マクシミリアンは片手を上げ、家臣団に落ち着くようにジェスチャーを送った。
「つまりだ、リッシュモンは僕を失脚させる為に陰謀をめぐらせた、と」
「御意にございます。ですが国王陛下はリッシュモンを逮捕し、反乱貴族を討伐する為、各地に動員令を発しました」
「僕にも参戦する様にと、国王陛下は申したのか?」
「御意、『名誉挽回の機会を与える』との事でございます」
「……謹んでお受けすると、国王陛下に伝えて欲しい」
「御意」
マザリーニは一礼して去っていった。
「……」
「殿下」
控えていたミランが声をかけてきた。
「ああ、すまない。防衛体制も解除だ、各部隊に伝えてくれ」
「御意」
「参謀本部には反乱貴族討伐の作戦案を提出させてくれ。後は任せる、解散」
「ははっ」
それだけ言うとマクシミリアンは謁見の間を出て、自室に引き篭もってしまった。
マザリーニに聞かされた、今回の事件の経緯を知りショックを受けた。トリステインにとって良いことだと信じてここまでやって来たが、貴族達にとっては大きなお世話だったのだ。
いや、全ての改革が歓迎されるはずはない、と理解していたつもりだったが、過半数の貴族が反乱に回った事を知るのはショックだった。
足元がグラつく様な感覚を覚えたマクシミリアンは、来ていた服を全部取っ払うとベッドに身体を放り投げた。
しばらくの時間、目を瞑っていると、部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「殿下、お休み中申し訳ございません。クーペでございます」
声の主はクーペで、外を見ると既に暗くなっていた。
「入っていいよ」
入室を許可すると メイド姿のクーペが入ってきた。
「ああ、クーペ何か分かったのか?」
マクシミリアンは指を弾き、魔法のランプを灯した。
「半日、調べた程度で完全には把握できませんが、ある程度は……」
「聞こうか」
「御意」
クーペは、情報収集の成果を聞かせた。
内容は、この事件の切欠になった、アンリエッタとアニエスを同じ部屋で勉強させた事などで、メイドが一人、行方不明になっている事も知った。
「ああ、ありがとう。調査を続けてくれ」
「御意」
クーペは去ると、
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