そりゃあ発狂するわな
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ックリしたなぁ。この子男の子だったなんてぇ」
「まぁ、パッと見は普通の女だからな」
シリルのロットに手を当ててじっくりと観察しているラミー。彼女はあることを思い出し、ノーランの方に振り向き口を開く。
「さっき楽しそうにキョウカ姉さんとセイラ姉さんがこの子の服脱がせてたのに、突然悲鳴あげたからビックリしちゃった♪」
「あの二人じゃ・・・そりゃあ発狂するわな」
エルザとミラの服を脱がせている時、キョウカとセイラはとても楽しそうにしていたのだが、シリルの時はその気持ちがさらに高まっていた。理由は、こんな小さな少女を相手にする機会などほとんどないから。しかし、脱がせてみれば実際は男。予想を裏切られた二人の悪魔は、悲鳴を上げていたらしい。ノーランにはその姿が頭に思い浮かび、苦笑いしている。
「女の子に改造するとか言い出したから慌てちゃったよ。こんなに可愛い子なら、将来絶対イケメンになるのに」
「はいはい」
よだれを垂らしているラミーを呆れたような目で見ているノーラン。彼はため息をついた後、さらなる質問をする。
「こいつにしてるあれ、どのくらいで終わる?」
「さぁ?初めてのことだから、よくわかんな〜い。でも今日中には終わるんじゃないかな?」
「そうか」
ノーランはそれを聞いて不敵な笑みを浮かべる。実は彼らは、シリルを使ってある実験を行っていた。
「本当は天空の巫女がよかったが、こいつでも大丈夫だろ」
腕組みをして物思いに耽っているノーラン。そんな彼に、ラミーは率直な疑問をぶつける。
「でもさぁ、この子他の魔法も持ってるんでしょ?暴走とかしないかな?」
「暴走したら俺が責任を持って殺すよ。まぁ、十中八九失敗するだろうが、そん時はそんときだ」
実験の失敗・・・それは、用いられた実験台の死を意味するのと同じ。しかし、ノーランはそんなことなど気にしている様子は一切なかった。
ドゴォン
「ん?」
「ファファ!?」
二人が話していると、突然大きな爆発音とかすかな振動を感じる。それは、ナツとハッピーがシリルとエルザ、そしてミラの匂いを辿って冥府の門に突撃してきた際の音だった。
「なんだ?一体」
「ノーランくん怖い!!」
そんなことなど知りもしないノーランは不審さに目を細め、どさくさ紛れに飛び付いてきたラミーを引き剥がし、音の方に視線を向ける。
「見てくる。お前はロットを監視してろ」
「オッケー」
音の正体を探るため、その方向へと歩いていくノーラン。しかし、彼の頭の中にはあることが巡りめぐっていた。
「さて、どうなることやら」
横目で自らの実験の材料にされている少年を見てそう呟くと、足早に彼はその場を後にしていった。
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